S.H.Figuarts
スーパーサイヤ人 孫悟空
バンダイ S.H.Figuartsシリーズ
定価:3360円(税込)
「俺は地球から貴様を倒す為にやってきたサイヤ人・・・
穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた、伝説の戦士・・・超サイヤ人・孫悟空だ!!!」
「パワーアップしたら金色になるって、とってもわかりやすいですね、父さん。」「そうじゃの、鬼○郎。」
金色と言う色は、とても不思議な色である。なにせ、『機動武闘伝 Gガンダム』の明鏡止水しかり、『勇者王 ガオガイガー』のゴルディオンハンマーしかり、機体色が金色に変化すればそれはパワーアップしたと言う事を示す安易な目印となる。また、『聖闘士星矢』の黄金聖闘士のように、デフォルトで金を纏っている者は、それだけ強い連中であると印象付けられる。金の強度は全物質の中でも最弱に位置するはずなのに、何故だかそれを纏う者、扱う者には強いイメージが付きまとう。不思議な事である。(中には見掛け倒しで金色の連中もいるわけですが・・・。)
スーパーサイヤ人になると、目が碧眼となり、頭髪は金色に変化。全身から金色のオーラが溢れ出し、いかにも強そうな戦士の風格を漂わせる。筆者に《金色になったらパワーアップ》というわかりやすい考えを刻み込んだのは、まさに『ドラゴンボール』の、スーパーサイヤ人なのであった。
と、いうわけで、今回はなぜかピッコロよりも後の発売となったS.H.Figuarts、スーパーサイヤ人・孫悟空の紹介をしようと思う!!
100年に1度現れる(?)伝説のS.H.Figuarts
超サイヤ人とは、100年に1度現れるという、穏やかで純粋な心を持ちながら、激しい怒りによって目覚める、サイヤ人の伝説の戦士である。根っからの戦闘民族であり、アニメでの描写を見る限り、同じ惑星に住むツフル人を滅ぼし奪うまで、おおよそ《文明》という言葉と無縁であったように見えるサイヤ人の伝承に、はたして正確さというものを求めていいのかは知らないが、とにかく作中ではそのように伝わっている。・・・壁画でも伝わっていたのかもしれない?
サイヤ人は満月の光をその身に浴びる事で大猿化し、戦闘力を飛躍的にアップさせるが、スーパーサイヤ人化することでアップする戦闘力は、大猿化の比ではない。宇宙の支配を目論む帝王・フリーザが一度はサイヤ人を配下に従えながらも結局滅ぼしたのは、スーパーサイヤ人の伝説を知り、その存在を恐れたからであると言われている。
「甘さを捨てなければ、スーパーサイヤ人にはなれない」と、ライバルであるサイヤ人、ベジータから忠告を受けていた孫悟空であったが、フリーザとの戦いの中でピッコロが倒され、また、親友であるクリリンも殺されたことで、激しい怒りを感じ、ついにスーパーサイヤ人へと至る。飛躍的に戦闘力を上昇させた孫悟空はフリーザを圧倒。これを撃破したのである!
激しい怒りによって目覚めた、伝説の戦士
金色(というか、黄色)に塗装された髪の毛はなかなかのボリュームで、それに対して身体は割と小さめな印象。アニメで見慣れていると足が短く感じられるかもしれないが、原作で描かれるイラストではこんな感じのバランスである。髪の毛のボリュームといい、色指定といい、原作版とみたほうが良さそうである。
デフォルト状態の顔は静かに相手を見据えるような顔となっており、交換用の表情パーツは一転して激しさを感じさせる、叫び顔となっている。
静かな怒りを表現したい時は左を、激しい怒りを表現したい時は右を使いませう。
表情パーツの交換は頭を丸ごと取り替える豪快なピッコロ方式と異なり、figmaと同様、前髪を取り外してから交換する方式となっている。
表情パーツはいずれも作中のイメージを損なわない完璧な出来なのだが、ただ一つ、惜しむらくは笑顔が付属しない事が挙げられよう。某模型誌では付属すると宣伝されていたのだが・・・。笑顔が付属してさえいれば、また遊びの幅も広がったろうに、残念至極である。
可動に関しては同じ胴着タイプの素体ということで、こちらを参照されたし。
S.H.Fのお約束、交換用手首は、平手と構えの手が付属する。と、いうわけで、こんなんやってみました。
「はぁぁぁぁぁぁ・・・・ッ!!」
か・・・め・・・
ロールオーバーで画像が変わります
は・・・めぇ・・・
ロールオーバーで画像が変わります
波ぁぁぁぁぁぁッ!!
本来は10年近くの修行を必要とする技らしいのだが、悟空は少年の頃、武術の師匠である武天老師(亀仙人)が使ったかめはめ波を、1度見ただけで使えてしまった。悟空への対抗意識からか、兄弟弟子であるクリリン、ヤムチャもかめはめ波を体得。また、悟空は息子である孫悟飯にも教えており、彼らの必殺技として様々な局面で使われている技となっている。
崩壊が迫るナメック星に残り、フリーザと決着をつけた悟空は、フリーザ一味の使っていた宇宙船を発見。ナメック星の爆発に巻き込まれるギリギリの所で脱出に成功する。宇宙船はフリーザの部下が攻めていた、ヤードラットという星に到着。地球に帰るのを一年と半年ちょっと先延ばし(注1)にして、悟空はヤードラット人からある技を教わった。それが瞬間移動である!
仲間一同「き、消えた!?」
ロールオーバーで画像が変わります
瞬間移動は行き先にいる人物を思い浮かべ、その人の気を感じ取って移動する技である。そのため、行ったことが無い場所、知っている人がいない場所へは移動することは出来ない。それでも便利な技である事には変わりは無いので、初めて披露した際には仲間から「アンタもう、なんでもアリね・・・」と呆れられていた。
2010年2月に開催されたコレクター事業部のイベント・魂フィーチャーズ によると、S.H.Fは節操無く様々なロボットを商品化しようと企むROBOT魂に倣い、仮面ライダーとドラゴンボールに留まらず、プリキュアやワンピースなど、様々なアニメからも商品化しようとしているようである。ドラゴンボールからの次の商品化がいつになるかは不明だが、しっかり作りこんで良い商品を送り出してくれれば、消費者としては文句も無いので、バンダイには頑張ってほしいものである!
注1『地球へ帰るのを先延ばし』:ナメック星に残った悟空が生き延びていた事を知った仲間たちは、ドラゴンボールから現れる龍《神龍(シェンロン)》に、悟空を地球へと連れて帰ってくるように願うが、当の本人が『その内自分で帰るから』と拒否した。
これをうけて亀仙人曰く、「わかった!!! 嫁さんが怖いんじゃ!! 嫌なんじゃ!! 宇宙一強いのは超サイヤ人・孫悟空の嫁、チチだったのか!!!」と、ジョークをのたまっている。・・・あながち冗談でも無さそうだが。
※今回もまた、敵役っぽいキャラがいないので、劇中再現はお休み。今回は前回(S.H.Figuarts ピッコロ)の続きという事で、『リリカルなのは』のfigma 高町 なのは と戦わせてみた。前回同様、『悟空さが小娘如きに苦戦するはずがないだ!』とか、『なのはちゃんをいじめるなー!』なんて文句をつけない、ジョークをジョークとして受け取れる、そんな人だけがこの先に読み進むようにしてください。
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コラム特撮祭り! ドラゴンボール×リリカルなのは
激突! とびっきりの最強VS最凶!!
《ナレーション:界王様(八奈見乗児)》平和な世界に突如現れた、異世界からの来訪者。得体の知れない彼女らに好き勝手にさせまいと、一人果敢に立ち向かうピッコロであったが、突如として姿を現した魔王、高町 なのはに追い詰められてしまう!・・・果たして、ピッコロはこの窮地を脱する事ができるのか!?
なのは「レイジングハート・アクセルモード!」
ピッコロ「ぐぁッ!!」
ロールオーバーで画像が変わります
トドメを刺そうと迫るなのは。その時、仲間を救う為、突如として一人の男が姿を現した!
なのは「仲間を傷つける人を、私は決して許さない!」
???「それはオラだって同じだぞッ!!」
なのは「誰!?」
ピッコロ「そ、孫・・・!」
瞬間移動でその場に駆けつけたのは、『ドラゴンボールの世界』の最強の戦士、孫悟空であった! 悟空はピッコロに仙豆を与え体力を回復させると後ろに下がらせ、なのはとの戦いを引き受ける。
悟空「随分好き勝手してくれたみてぇだな・・・」
なのは「この人、本当に強い。最初から本気でやらなきゃ、こっちがやられる!!」
ロールオーバーで画像が変わります
悟空「だぁぁぁぁっ!」
なのは「レイジングハート・アクセルモード!!」
なのはに向かって、高速で詰め寄る悟空。彼女はそれに対して無数の光の弾丸を放つ。悟空はそれに臆することなく直進することで光の弾丸をかわすが、弾丸は突然軌道を変え、悟空に追いすがってくる! なのはの放った弾丸が追尾式であると一瞬のうちに見破った悟空は掌から衝撃波を放ち、一発残らず撃ち落す。
「でやっ!」
再び前を見据える悟空であったが、なのはは既にその視線から外れた所にいた! 咄嗟に気を感知して後ろを振り向くと、なのはがゼロ距離で、ディバインバスターを撃とうとしていた!!
悟空「し、しまった!」
なのは「まだチャージが足りないけど、この距離なら!
ディバイン・バスターッ!!」
直撃するディバイン・バスターであったが、チャージが足りなかったが為か、悟空はこれを防ぎきっていた。悟空はなのはに拳を叩き込む。なのははそれを杖+魔法障壁でガードするが、衝撃が凄まじく、弾き飛ばされてしまった。
悟空「今のはちょっと、危なかったぞッ!!」
なのは「くゥッ!?」
悟空はさらに、なのはを攻め立てていった!
悟空「でやっ!」
大きくバランスを崩したなのはに対し、高速で背後に回った悟空はその背中にさらに両拳をあわせた一撃を放つ!!
悟空「だりゃぁッ!!」
ロールオーバーで画像が変わります
キュー・・・ン、
ドッカー・・・ンッ!!
フェイト「なのはッ!!」
今すぐにでもなのはを助けに向かいたいと思うフェイトであったが、ピッコロの睨みによって牽制され、身動きを取ることが出来なかった。おもいきり岩盤に叩きつけられるなのは・・・であったが、彼女はその攻撃を全て魔法障壁で防いでおり、まったく効いた様子は無かった。
瓦礫を弾き飛ばして立ち上がったなのは。常の冷静さは失っていなかったが、だからこそ、相手との実力差を計り、心中に焦りが生じていた。
『この場で重要なのは相手を倒す事ではなく、この状況を切り抜けフェイトと共に逃げ延びる事だ』と考えたなのはは、大技を使った賭けに出た!
なのは「いくよ、レイジングハート。スターライト・ブレイカーの用意を!」
O.K.! My Master!!
これを迎え撃つ為、悟空も全力のかめはめ波を放とうと、気を溜める!
「か・・・め・・・は・・・めぇ・・・」
しかし、発射のタイミングが、なのはのスターライトブレイカーのほうが僅かに速かった!
ピッコロ「いかん、避けろ! 孫ッ!!」
なのは「これが私の、全力全開ッ!!
スターライト・ブレイカーッ!!」
巨大な魔力の塊が、悟空に迫る! しかし、悟空はその塊を瞬間移動で回避し、次の瞬間にはなのはの目の前にいた!!
なのは「!?」
悟空「今のは直撃したら危なかった・・・さっきのお返しだ!!」
ロールオーバーで画像が変わります
波ぁぁぁぁぁぁぁッ!!!
悟空が全力で放つかめはめ波をその身に受ける直前、なのはとフェイトの身体を淡い緑色の光が包み込んだ。それは時空管理局の使う、転移魔法陣の輝きであった・・・
かめはめ波の激しい閃光が収まった後には、なのはとフェイト、二人の姿はどこにも見当たらず、気配も察知できなかった。悟空は、二人はあの一瞬のうちに、瞬間移動のような技で逃げたのだと理解するのであった。
《ナレーション:界王様》強敵は去った。「恐ろしい敵だった」と存在を危ぶむピッコロとは対照的に、サイヤ人の性から、悟空は異世界から現れた強敵の存在に心震わせていた。・・・まったく、サイヤ人という連中はこれだから。世界の平和はオマエにかかっとるんだぞ、わかっとるのか、悟空ー!?
おわり
「神様とピッコロが融合したから・・・神コロ様か?」「・・・ピッコロで構わん!」(S.H.Figuarts ピッコロのコラムへ)
「俺の理性がちょっとでも残ってる内に、とっとと消えるんだッ!!」(戻る)