スーパーミニプラ グリッドマンシグマ

バンダイ スーパーミニプラ

キンググリッドマンセット 定価:6480円(税込み プレミアムバンダイ限定)

スーパーミニプラ グリッドマンシグマ
幻のグリッドマンシグマがスーパーミニプラで登場!!

もう一人の武史
『電光超人 グリッドマン』は、1993年当時の社会情勢を元に、子供向けに作られた特撮ヒーロー番組である。中学2年生の少年少女を主人公に据え、町内に起こる事件を解決するというのが基本パターンのストーリーだが、町内に起こる事件を引き起こしているのも中学2年生の少年である。今回は、番組の影の主人公と言える藤堂武史と彼が変身する幻のヒーロー、グリッドマンシグマを紹介しよう。

藤堂武史は、主人公の直人達の同級生である。しかし、その性格は今でいうところの根暗・コミュ障・ぼっちの3拍子そろった根暗キャラで、直人達が仲良くしているところを遠くで見ながら羨ましがっていた。そんな彼の心の闇に引き寄せられたのが、異世界からやってきた魔王カーンデジファーである。カーンデジファーは、日常でひどい目に合う武史のストレスを利用し、怪獣を作り出させ町内に事件を引き起こすのだった。

毎回、何らかの形でひどい目に合う武史は八つ当たりや逆恨みのように怒りを感じ、怪獣を生み出す。彼が引き起こす事件は「飲んだ水がまずい」ということで「下水処理施設をハッキングし、水道水を塩酸に変えてしまう」というほぼテロ行為のものや、「タバコのポイ捨てを注意したら、逆切れされた」ので「掃除機のコンピューターにハッキングし、ポイ捨てする人間を吸い込ませる」などの荒唐無稽なものまで多岐にわたる。(注1)

もちろん、武史の送り込む怪獣は毎回グリッドマンに倒され、武史はひどい目にあったりするのだが、この武史の災難は日常生活の我々が遭遇しがちなものも多く、憎めないところがあるのも事実である。

そんな彼だが、その背景は悲しい過去がある。33話「もう一人の武史」では、そんな彼の生い立ちと孤独が描かれている。武史は裕福な家庭に育っているが、両親が今でいうところの毒親で、中学生の武史の世話はせず放置し(一応金は送っていたが)、幼少のころは武史を唯一かわいがっていた給仕のばあやを引き離すなど彼の孤独が描かれている。武史は両親について「金さえ渡しておけば僕が幸せだと思っているんだ!」と叫ぶシーンもあるくらいで、この家庭環境が彼の性格を作り出していることがうかがえる。

同回では、武夫と名乗る武史にうり二つの少年が現れ、彼と好対照で誰とでも仲良くなる様に嫉妬した武史は、彼が身に着けていたマイクロチップ腕時計を操作する電波塔の発進システムに怪獣を送り込み、人々に混乱を引き起こした。

当然、この怪獣はグリッドマンによって退治されたのだがこの後の描写が恐ろしいのである。怪獣を倒された武史は、カッターナイフを持って武夫を刺そうとしたのである。武夫を見つけ出した武史は、カッターナイフで武夫に襲い掛かったが、武夫は突如消え去り、武史の前に、ばあやと仲良く紙飛行機を飛ばしていたころの幼少期の武史が現れる。幼少期の武史は、現在の武史に紙飛行機を渡すと忽然と消え去ってしまった。紙飛行機を手に、武史はその場に泣き崩れたという不思議な話だったのである。

武史の人物描写と「もう一人の武史」のエピソードは、1989年に起きた宮崎勤事件や1990年代の後半に神戸で起きた酒鬼薔薇聖斗事件などの武史とちょうど同年代くらいの少年・少女が引き起こした凶悪犯罪をほうふつとさせる。グリッドマンが放送された1990年代は、バブル経済と情報機器などの発達で人々は便利さを謳歌し裕福になったが、人と人とのつながりが希薄化していった時代でもあった。まさに1990年代の社会や少年の抱える闇の部分を描き出したのがこの藤堂武史だったと言えるだろう。

おそらく番組スタッフはこういった社会情勢を受け、子供たちに「人と交流を持つ勇気を持とう」というメッセージを視聴者である子どもたちへと送ろうとしていたのだろう。番組全体も肯定的なメッセージで満ち溢れており、宮崎勤のような人物が少しでも出てこないように教訓めいたエピソードが語られている。武史は、単なる「悪役」ではなく最終的に直人やグリッドマンが救うべき人物として描かれているわけである。
注1 カーンデジファーが武史のデザインした怪獣を実体化し、コンピューターワールドに送り込む。医療コンピューターが狂うことでメスなどがポルターガイストのごとく飛び回ったり、掃除機が人を吸い込んだりなどの非科学的な内容の放送が多かった。これはインターネットが普及していなかった1993年当時だからこそできた子供向けらしい牧歌的な描写である。もちろん、コンピューターが狂うことでこのようなことは起きないことは現代人の我々はわかる。しかし、中には現代の情報化社会の危険性を予期した作品も存在しており、電子マネーのあいまいさや車の自動運転の暴走、セキュリティシステムの危険性を描くなどの21世紀の情報化社会に生きる我々にも受け入れられる鋭い描写のエピソードもあった。この作品が「早すぎた名作」と言われるゆえんの一つである。
さらば、グリッドマン
グリッドマン本放送の終盤である38話〜39話ではグリッドマンとカーンデジファーの最終決戦と武史の救済が描かれている。「最高傑作」の怪獣をキンググリッドマンにあっけなく倒されてしまった武史は、カーンデジファーに見限られ、ついに放逐されてしまう。公園でおびえている彼を見つけた直人達は、ついに武史がカーンデジファーの手先だったことを知る。武史を放逐したカーンデジファーは、自ら行動を起こし、人類に宣戦布告を行った。

カーンデジファーの宣戦布告
カーンデジファー「覚悟するがよい!貴様たち人間は、全能なるこのカーンデジファー様にひれ伏す運命なのだ!」

カーンデジファーが宣戦布告を行うと、武史のコンピューターをホストステーションとして、鉄道や工場などのコンピューターを狂わせ未曽有の大混乱を引き起こした。ここにカーンデジファーとグリッドマンの最終決戦の火ぶたが切って落とされたのであった。

武史のコンピューターがアジトだと分かった直人とゆかは、グリッドマンとともに武史のコンピューターにアクセスしカーンデジファーを迎え撃つ。

カーンデジファーと対峙するグリッドマン
カーンデジファー「対決の時が来たようだな、グリッドマン!」

グリッドマン「カーンデジファー!逮捕する!!」

カーンデジファー「逮捕?できると思のか!?ハイパーエージェント!!」

二人の対決
グリッドマン「それが、私の使命だ!!

一方の一平は、武史を引きずり出し彼の自宅に案内させたが、カーンデジファーに乗っ取られたパソコンからは奇妙な触手が伸び、とても電源を切ったり物理的に壊したりすることができないほどになっていた。

グリッドマンはカーンデジファーと格闘戦を繰り広げるが、徐々に押されてしまう。エネルギーが足りなくなってきたので、ゆかと一平はグリッドマンを撤退させた。

ジャンクに連れてこられた武史は、今までの心中を吐露する。今までの武史は一人ぼっちで相手にされてこなかったこと。カーンデジファーだけが唯一自分を認め、友達になってくれたこと、力を合わせて戦ってくれたことを述べた。そんな彼に直人は、それで世界中の人を混乱させて良いのかと問いかける。その言葉に武史の心は揺れ動くのだった。

カーンデジファーによるコンピューターの侵攻を食い止めるため、直人達はジャンクにカーンデジファーをおびき寄せる作戦を立案した。直人と一平は、オンライン通信を利用してデジファーをこけにする発言をし、彼をジャンクへとおびき寄せたのである。直人がジャンクにアクセスフラッシュし、グリッドマンと合体する瞬間を目撃した武史は、驚きを隠せないでいた。ジャンクにやってきたカーンデジファーを直人とグリッドマンが迎え撃った。

奇襲をかけるグリッドマン
カーンデジファー「ここが貴様のアジトだったのか!」

グリッドマンがカーンデジファーと戦っているすきに、ゆかは監禁プログラムを作成、空のフロッピーディスクにカーンデジファーを閉じ込め、コンピューターから隔離しようとした。

カーンデジファーを羽交い絞めにするグリッドマン
一平「ゆか、今だ!」

ゆか「監禁プログラム、発射!」

拘束されるカーンデジファー
カーンデジファー「何!?」

しかし、その監禁プログラムはあっけなくカーンデジファーに破られてしまう。

監禁プログラムを破るカーンデジファー
カーンデジファーこんな手に引っかかるワシではない!!
ロールオーバーで画像が変わります

カーンデジファーに監禁プログラムを破られたゆかたちはアシストウェポンを投入。グリッドマンにバリアシールドを送り込んだ。武器を装備したグリッドマンに対応して、カーンデジファーも剣を抜いた。

バリアシールド
グリッドマン「バリアーシールド!!

剣を抜くカーンデジファー
カーンデジファー「フン!ハアアアアアアッ!!」

ロールオーバーで画像が変わります

グリッドマンはプラズマブレードを抜いてカーンデジファーと切り結ぶが、カーンデジファーの光線の前にバリアシールドとプラズマレードを吹き飛ばされてしまう。カーンデジファーは、一平たちにコケにされた腹いせにジャンクのプログラムを破壊し始めた。このジャンクのプログラムが破壊されたことにより、ゴッドゼノンとダイナドラゴンのデータが消去、グリッドマンはパワーアップ不能となった。さらに、ジャンクに武史がいることに気づいたカーンデジファーはパソコンの画面越しから一平とゆかたちに攻撃を仕掛けてきた。

武史に気づいたカーンデジファー
カーンデジファーん?貴様、こんなところで何をしている?このワシを裏切ってグリッドマンの手先になり下がったか!?

ゆかたちは武史をカーンデジファーの攻撃からかばいながら、机の陰に隠れてカーンデジファーの攻撃をかわしていた。

ゆかたちをカーンデジファーの手から守るため、グリッドマンはパサルートを開き、武史のコンピュータへと向かった。グリッドマンはフィクサービームを放ち、武史のコンピューターの修復を試みた。

武史のコンピューターを修復しようとするグリッドマン
カーンデジファー「貴様ぁ!」

しかし、グリッドマンの作戦は追ってきたカーンデジファーに妨害されてしまう。ジャンクが破壊されていることにより、グリッドマンはエネルギーを消耗しておりカーンデジファーの攻撃を防ぎきれない。カーンデジファーはそんなグリッドマンごと現実世界に侵攻すべく現実世界への扉を開いた。

カーンデジファーの目論見に気づいた武史は、ジャンクのコンピューターに腰掛け、破壊プログラムを作り始めた。一平とゆかにかばわれたことにより、武史は心を改め、カーンデジファーとの決別を決めたのである。

カーンデジファーの刃に苦戦するグリッドマンだったが、カーンデジファーの刃を白刃取りすることに成功した。グリッドマンはそのままカーンデジファーの剣を叩き落し、剣を折ることに成功した。

カーンデジファーの刃を白刃取りするグリッドマン
カーンデジファー「何!?」

剣を叩き落すグリッドマン
グリッドマン「てあッ!」

しかし、カーンデジファーはエネルギーの尽きかけているグリッドマンになおも襲い掛かり、グリッドマンを羽交い絞めにして表の世界に引きずり出そうとした。

グリッドマンを放り出そうとするカーンデジファー
カーンデジファー貴様を表の世界に放り出し、息の根を止めてやる!!

武史は、自分のパソコンのなかのデータを消去するプログラムをくみ上げ、グリッドマンのもとに送ろうとする。このプログラムを送ってしまえば、グリッドマンも消滅してしまう危険性がある・・・。一平は破壊プログラムの送信を迷ったが、ゆかが送信を決意し破壊プログラムを送り込んだ。

破壊プログラムを受け取ったグリッドマンはまばゆい光に包まれ、周辺のプログラムを破壊、現実世界への穴を開いていた触手も力が弱まり穴が閉じ始めた。グリッドマンは最強の必殺技であるグリッドハイパービームをカーンデジファーに放った!

カーンデジファーの最期
カーンデジファー「おのれ・・・グリッドマン!こうなれば貴様も地獄へ道連れにしてやる!!」

グリッドハイパービーム
グリッドマン「グリッドォォォォォォォ・・・

グリッドハイパービーム
グリッドマン「ハイパービーム!!!

カーンデジファーの最期
カーンデジファードアアアアアアアアアッ!

攻撃を受けたカーンデジファーは消滅、しかしグリッドマンもまばゆい光に包まれてしまう。

光に包まれるグリッドマン
一平「やべえぞ!」

ゆか「直人!」

グリッドマンの姿が見えなくなってしまい、ゆかはその場に泣き崩れた。

しかし、グリッドマンは生きていた。

グリッドマン生還
一平「グリッドマンが生きてた!!」

グリッドマン生還
ゆか「直人・・・!」

真っ白な無の空間の中で、飛行ポーズを取りパサルートを開いてジャンクへと帰還するのだった。

カーンデジファーを倒し、任務を終えたグリッドマンはハイパーワールドに帰還することになった。これまでの戦いを支えてくれた3人と武史にグリッドマンは別れの言葉を送る。

礼を言うグリッドマン
グリッドマン「ハイパーエージェントを代表して、君たちの協力を感謝する!」


グリッドマン「魔王カーンデジファーは消滅した!」


グリッドマン「私はこれからハイパーワールドへ帰還しなければならない。私の使命は終わったのだ!!」

一平へのメッセージ
グリッドマン「一平君の天才的なひらめきと勇気はいつまでも失わないでほしい!」

ゆかへのメッセージ
グリッドマン「ゆかちゃん、君のやさしさと冷静な判断にはずいぶん助けられたよ。」

武史へのメッセージ
グリッドマン「武史君、もう君はひとりじゃない!
これからはみんなと力を合わせ、未来を切り開いていくんだ!」

直人へのメッセージ
グリッドマン「直人、本当によく戦ってくれた君がいなかったら私は任務を成し遂げることができなかっただろう!ありがとう!!」

グリッドマンのメッセージ
グリッドマン「私は君たちから教えられた!それは、本当に信頼できる友達を持つことが最強の武器だということを!!」

旅立つグリッドマン
グリッドマン「それじゃあ、みんな元気で!」

グリッドマンはパサルートを開き、ジャンクから飛び立っていった。グリッドマンはそのまま電線から上空へと飛翔し、ハイパーワールドへ帰っていった。そんな彼を友達になった武史も含め、直人達は感謝の言葉を叫びながら見送るのだった。

ありがとう、グリッドマン!!


魔王の逆襲
このように、グリッドマンはただ単に怪獣を倒すヒーローではなく、人の心をも救うヒーローだったのである。このことがきっかけで武史は改心し、最後には武夫のような明るい屈託のない笑顔を見せるようになった。武史はついに孤独ではなくなり、成長したのである。

この後の展開が、小学館から発行されていた『てれびくん』の雑誌特集で取り扱われている。ハイパーワールドに帰還したグリッドマンだったが、カーンデジファーの弟であるネオ・カーンデジファーが活動を始め、再び現実世界に現れた。ネオ・カーンデジファーの操る怪獣は、コンピューターワールドではなく現実世界に現れ、その怪獣たちをグリッドマンが再び迎え撃つというのがあらすじである。

この企画は、グリッドマンの人気を受け放送延長を見越して企画された企画だったが、諸般の事情で立ち消えとなってしまった。(注2)この雑誌展開の中で登場したのがグリッドマンシグマである。

このグリッドマンシグマは、グリッドマンの弟であるという設定の新ヒーローである。体のスーツは予備のスーツを流用して作られ、頭部は新規造形であった。(注3)このグリッドマンシグマはサンダーグリッドマンキンググリッドマンと並べる目的で作られたヒーローで紙面上で両者の並びたちと共闘が描かれている。

このグリッドマンシグマに変身するのが先の戦いで改心した武史であるというのも興味深い。カーンデジファーから解放された武史は今度は直人達とともに新たな敵に挑むという構図はぜひドラマなどで見てみたかったものである。

握手するグリッドマン達

このグリッドマンシグマは知る人ぞ知るという幻のキャラクターで、当然ながら商品化には全く恵まれていない。2012年にULTRA-ACT グリッドマンが発売された時も当然スルーされたキャラクターだったのだが、何が起きたかスーパーミニプラがキンググリッドマンセットとしてグリッドマンシグマの立体化に着手した。キャラクターの特性上、ほぼグリッドマンの流用であるが、発売されたことに非常に大きな意義を持つ。このグリッドマンシグマの詳細を見ていこう。
注2 また、電光超人グリッドマンの続編として高校生となった一平と新たな友人である響裕太が戦う『グリッドマン Fファイター』という企画も作られていたが、こちらも書類上の企画で終わってしまっている。しかし、グリッドマンFの設定自体は2018年になって放送されたアニメ版で日の目を浴びることになった。世の中何が起こるかわからないものである。

注3 製作は赤松和光氏によるもの。予算がなかったため、グリッドマンのスーツをスプレー塗料で青く塗装し、頭部を改造して別のキャラクターに仕立て上げた。全7回グラビアとして展開し、怪獣やネオカーンデジファーは着ぐるみではなく同氏の造形した人形が合成で用いられた。

SUPER MINIPLAS INVENT A GREAT HERO
このグリッドマンシグマは、ダイナドラゴンとのセット箱でキンググリッドマンシグマとして発売された。素体自体はグリッドマンと共通なのでダイナドラゴンと合体することが可能である。基本は流用商品であるが発売されたことに意味がある存在である。 まずは、全体像を見てみよう。

グリッドマンシグマ 前 グリッドマンシグマ 後
グリッドマンの弟という設定のスーツを流用して作られたキャラクター
スーパーミニプラでも首から下はグリッドマンと共通である

首から下は成形色以外はグリッドマンと共通である。それゆえ可動範囲も同じである。相違点と言えばアクセプターが右手に装着されていることである。スーパーミニプラでは元からグリッドマンシグマへの流用も念頭に置いて作成されているため、アクセプターを右腕に取り付ければよいだけになっている。グリッドマンで塗装されていたアクセプターは当然グリッドマンシグマでも塗装されて付属している。

アクセプターの取り付け

頭部はグリッドマンの頭部を元に、エネルギーランプ付近の造形を変更、また両耳には羽飾りが追加されている。グリッドマンの耳に当たる部分を羽パーツにすればそのまま完成するので、この流用も視野に入れてグリッドマンが作られていたことが分かる。

頭部のアップ
額のデザインが変更され、羽飾りがオリジナルのグリッドマンに追加されている

付属パーツは、グリッドマンにも付属していた替えの拳である。グリッドマンシグマは武器を使う描写がないため、バリアシールドやプラズマブレードは付属していない。

付属物
手首パーツは豊富に付属しているが、グリッドマンと内容は全く同じ

サンダーグリッドマンシグマやキンググリッドマンシグマに合体することももちろん可能である。合体する際は頭部の羽飾りが干渉してしまうため羽飾りを取り外す必要がある。これは致し方ないところだろう。パーツを取り付ければ太ももが青いキンググリッドマンやサンダーグリッドマンが誕生する。

合体時の頭部
羽飾りは余剰パーツになるので注意

2体のグリッドマンが並び立つ
製作した赤松氏いわく、この2体の並びたちはロマンとのこと
全く持って同意である

グリッドマンも持っている人は雑誌で並び立つグリッドマンやグリッドマンとの共闘シーンも当然再現することができる。平手もあるのでもちろん、握手させることも可能である。

握手の再現 共闘するグリッドマン

このキンググリッドマンとのセット箱は、牟田口裕基氏が担当している。牟田口裕基氏はアニメ版のグリッドマンではヒロイック作画監督に抜擢されているほどのアニメーターで、大張氏の作画をイメージしたキンググリッドマンとグリッドマンシグマが描かれている。

キンググリッドマンパッケージ
大張氏の作風を受け継ぐ牟田口氏作画の渾身のパッケージ
このパッケージ目当てに筆者は2つ買いました。

余剰パーツが出てしまうのは残念だが、そのほかの点はケチが付けられないほどの出来栄えである。惜しむらしくはダイナドラゴンとともにこの商品もプレミアムバンダイでの販売で今はなかなか手に入らないというのが惜しい点である。

BOYS INVENT A GREAT HERO & SSSS
このマニアックなキャラクターまで発売されるに至ったのは、アニメ版のグリッドマンが大きい。このグリッドマンシグマは、雑誌展開のほかに2015年になって 日本アニメ(ーター)見本市にて映像化されている。このアニメは雨宮哲氏が作画を担当。同氏は、グリッドマンの本放送と再放送をリアルタイムで視聴していたグリッドマン世代のアニメーターで原作や同年に放送されていた勇者シリーズをリスペクトした2分程度の短編アニメを作成した。作画もグリッドマン愛にあふれており、よく動くし迫力満点である。

このアニメのなかでは大人になった武史がスクラップ置き場に廃棄されたジャンクの前にたたずみ、カーンデジファーとグリッドマンの戦いを回想するという筋書きである。このアニメの最後では新たに出現した怪獣の影に立ち向かうため、右腕にアクセプターが宿り、アクセスフラッシュしてグリッドマンシグマに変身し巨大化するという当時世代感涙のアニメとなった。

グリッドマンシグマ降臨!
ウルトラマンガイアよろしく、地面を揺らしながら巨大化するグリッドマンシグマ
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地面に降り立つグリッドマンシグマ
大地に降り立ったシグマの目には、怪獣たちの姿が映っていた
ロールオーバーで画像が変わります

怪獣を見据えるグリッドマンシグマ
今、新たなヒーローの戦いが始まる!!
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このアニメは、特撮界隈では話題となった。そして雨宮監督はこのアニメをきっかけにグリッドマンの新たな新作アニメ『SSSS.GRIDMAN』の制作を開始した。このアニメ版グリッドマンは、2017年末に制作が発表され、翌年2018年の10月より1クールアニメとして放送が開始され、CG・アニメ・特撮の映像手法が見事に融合したハイクオリティアニメとして2018年秋アニメの話題作となったのだった。

25年の時を経て新生したグリッドマンは、まさに平成のアニメ史を総括するような内容であった。今後のコラムシリーズはこのアニメ版グリッドマンの紹介も行っていく予定である。乞うご期待!!

「私はハイパーエージェントグリッドマン・・・。思い出してくれ、君の使命を!!」(ACTI-BUILDER DXアシストウェポンセットのコラムへ)

「カーンデジファーは僕の心の醜さに引き寄せられて来たた怪物なんだ!やつを倒さない限り、僕は立ち直ることができない!!」(もどる)