マスターピース ドラゴンカイザー

タカラトミー マスターピースブレイブシリーズ

価格9450円(税込み)



マスターピースでサポートメカが登場!

本家タカラの傑作2号ロボ!
マスターピースキングエクスカイザーに続くマスターピースブレイブシリーズの展開は、案の定ドラゴンカイザーであった。最小変形ドラゴンカイザーのコラムにあるとおり、勇者シリーズにおいて2号ロボの存在は、かなり大きいといえる。

しかし、2号ロボの宿命として玩具化したときにプロポーションが悪くなるというものがある。これは主役メカのパワーアップをさせるために分解したり主役メカにくっついたりするために、箱に限りなく近いものとなってしまう。特に、最初期の「勇者エクスカイザー」においては、キングエクスカイザーとの合体の企画が最初なかったため、つじつまあわせのしわ寄せが2号ロボたるドラゴンカイザーに大きく来ている。合体・可動・プロポーションをいかに両立させるかが課題である。

「傑作」と名のついたマスターピースシリーズが、どのようにこれらの課題をクリアしているのかを見ていこう。

大人の都合は答えられない良い子のヒーロー
まず、ドラゴンカイザーがどのようなキャラクターなのか、おさらいをしよう。ドラゴンカイザーは、エクスカイザーがキングローダーと同じく異次元から呼び出すサポートメカドラゴンジェットと合体することにより誕生する蒼い巨大メカである。ドラゴンジェットの登場は第26話で、キングエクスカイザーがダイノガイストを追撃するために呼び出したジェット機である。
これは余談であるが、当時発売された総集編ビデオでコウタ君がエクスカイザーに「ドラゴンジェットは今までどこにいたの?」という質問をしたら、エクスカイザーの答えは「それは・・・秘密さ」という場面があった。この会話を大人の目で見ると、製作スタッフも大変だなあと思ってしまうと同時に、商売の黒さが目に付いてしまう・・・。夢をなくした大人って嫌い・・・。


番組後半からたびたび呼び出されるようになった巨大メカ
エクスカイザーによると今までどこにいたかは秘密らしい・・・

ドラゴンジェットは、飛行能力を持たないエクスカイザーを空輸するのを目的としてたびたび運用される。海を越えたりするときは必ずドラゴンジェットを呼び出して現場に急行しているのだ。また、キングエクスカイザーのときも、ドラゴンジェットに乗って空中戦を展開する。MPドラゴンカイザーでも、エクスカイザーやキングエクスカイザーを上に乗せることが可能である。劇中のシーンをぜひ再現したいところ。


この状態でエジプトやナスカに急行していました

ドラゴンジェット単体でのギミックは、設定どおりの位置からランディングギアを出せること。ランディングギアはダイキャスト製で、ドラゴンジェットの巨体を見事に支えている。ガンプラではランディングギアは差し替えパーツであるが、マスターピースドラゴンカイザーでは、きっちりランディングギアを収納できる。

そして、マスターピースシリーズではドラゴンジェットをエクスカイザーが牽引するギミックも追加されている。これは、キングローダーでできたんだから、ドラゴンジェットでも牽引できるのではないかという製作者の解釈で生まれたMPオリジナルの形態である。

ドラゴンジェット牽引モード
飛行機を引っ張るスポーツカー・・・

また、ドラゴンジェットは単体で人型にも変形が可能である。この状態はドラゴンと呼ばれ、意思はもたずエクスカイザーの命令で行動する。MPドラゴンカイザーにおいては、この状態も再現が可能。頭のレバーの部分を倒すことで、瞳のライトがついていない顔にすることができる。また、胸のドラゴンアーチェリーも下げることができるのだ。

ドラゴン形態
目の色が変わるギミックがお見事

ただし、キングエクスカイザーと違って、ドラゴンカイザーの状態ではマスクのとりはずしが不可能である。合体中にエクスカイザーの顔が出てきているときも、一瞬だけだが点灯していない状態の時があるので、ぜひ入れてほしかったギミックである。

合体!ドラゴンカイザー
28話目で、キングローダーをいつものようにいつものごとく呼び出したエクスカイザーであるが、地中に潜んでいたサンダーガイストの奇襲攻撃を受けて大破してしまう。そこで合体を阻止されたエクスカイザーは、ドラゴンジェットを呼び出す。


ガイスターの悪党ども!
私の合体を阻止したからといって、勝手になると思ったら大きな間違いだ!!
ドラゴンジェットー!

呼び出されたドラゴンジェットは、変形を開始する。まず、胸のプレートが起き上がって胸の飾りをつける。そのときに、胸のドラゴンの角のような形のパーツがどこからともなく出現するが、マスターピースオリジナルの解釈で、ヒンジで角が曲がるギミックのブレストパーツがついている。このブレストパーツのおかげで、マスターピースドラゴンカイザーは余剰パーツなしで変形できる。また、見栄え重視の人のために非可動タイプの角パーツもついている。

胸が変形する図
劇中にあわせて一時的に角パーツをはずしております
ロールオーバーで画像が変わります

その次に、足の翼が折りたたまれる。この翼にも、ヒンジが取り付けられていて、アニメ作中同様の翼の短い足にすることができる。

足が変形する図
翼のたたむ向きを間違えないように
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その次に、腕のドラゴンキャノンが回転し、腕が出てくる。腕の変形もドラゴンキャノンを使ったスライド機構で変形。変形による、余剰パーツは一切でない。

左腕がせり出す図

左腕がせり出す図
劇中どおりに腕がせり出してくるのがお見事
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その次に、機首を倒してドラゴンカイザーの頭をだす。ただ機首を倒すだけではなく、機首の一部を開いてそこからドラゴンカイザーの頭を出す仕組みになっている。これで、ロボット形態時、上から見て機首の底の部分の穴を小さくするようになっている。

機首の変形図
ドラゴンカイザーの角がグレートの頭パーツと干渉してしまうのが難点
角を折らないように
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そして、ドラゴンの胸の部分が展開しキングエクスカイザーと同様にエクスカイザーを収納する。

ドラゴンカイザーが展開する図

エクスカイザーが飛び込む図
とうっ

エクスカイザーを収納する図
フォームアップ!

ロールオーバーで画像が変わります

キングエクスカイザーと同様のゴーディアン方式で合体するのだが、合体部分を太ももの部分にしてふくらはぎと独立させることで、ドラゴンカイザーの足の可動を実現している。これにより昔のおもちゃよりかなりポーズがつけやすくなった。合体の難易度は、足の収納に多少苦労はするが、キングエクスカイザーに比べて簡単なほう。ぜひ、エクスカイザーとあわせてフォームアップさせたいところである。

展開していた胸パーツが閉じた後、頭パーツにエクスカイザーの顔が出てくる。そして、マスクが閉じて、目に明かりがともる。こちらは先に述べたように、レバーを上げることで目の色が変わるギミックが入っている。

目に光がともる図
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そして、胸のブレストがせりあがりドラゴンの目が点灯!これでドラゴンカイザーが完成する。

胸の角がせりあがる図

ドラゴンカイザー完成!
巨大合体!ドラゴンカイザー!!
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前のキングエクスカイザー同様、おもちゃ独自の解釈を取り入れることで合体を再現しつつ、ここまでの可動を実現させている。細かいこだわりも見られて、ファンにとってはたまらないだろう。

宇宙の騎士(?) ドラゴンカイザー!
キングエクスカイザーが剣主体で戦っていたのに対し、ドラゴンカイザーは格闘戦を得意としている。ドラゴンといったら、中国映画のあれという連想の元に、カンフーアクションを行うメカとして、ガイスターロボを叩きのめす。

連想が中国映画からきているせいなのか、腕の部分のドラゴンキャノンは変形してドラゴントンファーになる。砲身部分を短くして、翼を収納すれば見事なトンファーに。マスターピースでも、このギミックを再現している。トンファーのグリップも可動し、そのままはずすことなく、手に持たせることもできるのだ。

平手パーツも、カンフーアクションを再現するためにか、可動式のものも付属。下半身はエクスカイザーの収納の都合上最低限の可動であるが、腕の部分はロール軸や二重関節が複雑に仕込まれており自由なポーズをつけることができる。昔のサウンドトラックでは、ドラゴンカイザーのBGMの題名は「宇宙の騎士ドラゴンカイザー」であったが、これでは「宇宙のカンフー戦士」である。

ドラゴントンファー
速水奨の声でアチャーとか言ってみましょう

また、肩のつめはドラゴンアンカーと呼ばれ、飛び道具として使用できる。マスターピースでは、つめの可動も追加。よりアンカーらしくなっている。

ドラゴンアンカー
ドラゴンアンカーを取り外した状態

ドラゴンカイザーの必殺武器は、胸の角が変形したドラゴンアーチェリーである。マスターピースは見事に、必殺技のシークエンスを再現しているのでそれを実際に再現してみよう。

まず、胸の角がモーフィングでドラゴンアーチェリーに変形。マスターピースでは別パーツとしてアーチェリーが付属しており、さらにそのアーチェリーを胸に装着させることができる。

胸の角が弓に変形する図
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そして、胸のアーチェリーを手に持つ。

アーチェリーをつかむ図
ドラゴンアーチェリー!

そして、今度は矢を背面部から取り出す。マスターピースでは、矢を収納することはできないが、グレートエクスカイザーのブレストパーツの腰の部分にスリットを用意することで矢を番えることができる。

背中から矢を取り出す図

そして、弓を構えて矢を放つ!矢を構える専用の手首があって、それに矢を持たせることが可能である。固定もしっかりしており、いい感じである。

サンダーアローを放つ図
サンダーアロー!

また、おまけのギミックとしてドラゴンアーチェリーは伸縮させることができる。しかし、伸縮部分がメッキなので注意が必要。

このサンダーアローは、ダイノガイストにたびたび跳ね返されたりしており、あまり強い印象は受けない。ドラゴンカイザーも設定上でのスペックではキングエクスカイザーより強いのだが、そう感じないのが二号ロボの宿命といおうかなんと言おうか。グレートエクスカイザーになるようになってからは、場つなぎのための形態になっている。

ドラゴンカイザーは劇中で一度だけ、グレートカイザーソードを使っている。このドラゴンカイザーでもそのシーンは再現できるのだが、グレートカイザーソードを持たせるような構造にはなっていないのでかなり持たせるのに苦労する。

グレートカイザーソード誕生!
私は貴様らに負けるわけにはいかんのだ!

2号ロボなのに、手を抜かずにここまで再現しているのは正直すごいと思う。キングエクスカイザー以上に複雑なギミックになっているために、強度に少し不安が残るものの大人向けのアイテムなので納得できる範囲。壊れた場合は、修理してくれるのもタカラトミーのいいところ。ただ、キングエクスカイザーは一話しか使わなかった武装も再現してたが、マスクの取り外しの有無や、同じく1話のみ仕様のドラゴンキャノンを組み合わせた状態であるロケットブラスターを再現できないことを考慮すると劇中の再現度はMPキングエクスカイザーに軍配が上がるだろう。
この商品がMPキングエクスカイザーが勝っているところは、塗装の質がだいぶ良くなったことである。箱は中身を見られない仕様となっているが、安心して買えるので、ほしい人はすぐに買いに行こう。
また、別売りのキングエクスカイザーを入手すればあの状態になるぞ。キングエクスカイザーも持っている人は、ぜひお店に急ごう。

かの地で与えられし力と技!見るがいい!!(マスターピース グレートエクスカイザーへ)

やつら、エクスカイザーに奥の手があるのを知らなかったらしいな(もどる)