HGUC Gアーマー(RX-78-2 ガンダム+Gファイター)

バンダイ1/144HGUC(ハイグレードユニバーサルセンチュリー)シリーズ

価格2940円(税込)

牡牛座黄金聖闘士HUYU


ガンダム&Gファイター

大量は少量を兼ねたりはしない。
やあみんな、元気かな。俺の方は最近最終回を迎えた『獣装機攻ダンクーガノヴァ』に登場した武器《断空弾劾剣》にトラウマを刺激され、いよいよ気が狂いそうだよ。
今回はいつも対談で相方をやってくれてるイマジン電光超特急ヒカリガイン君が前回(HGUC Ζガンダムのコラム)のあまりにもグダグダな対談の終わり方に腹を立てて引き篭もってしまったので、一人でやる事になってしまったよ。
さて今回のテーマはHGUC Gアーマーな訳だけど、最初に一言、言わせて欲しい。

「このコラムを読んでキットを欲しいと思った貴方。貴方に完成させる根性は、おありですか?」

・・・いきなり挑戦的な文句を書いてしまい、少し後悔気味だが、話を続けよう。
このキットは価格がキット2体分なら、中身も2体分なのである。いや、実際にガンダムとGファイターの2体セットなんだが。
一つの箱に2体のキットというのは一見するとお得感満点な気もするが、いざ組立てようと箱を開けるとパーツ数の多さにかなりまいる。 このキットを購入したのは以前紹介したMG(マスターグレード) クロスボーンガンダムX-1 フルクロスを購入するより1年も前なので、(俺がこれまで購入したキットの中では)パーツ数はその時点では間違いなく最多だった。パーツ数の多さに疲れと眩暈を感じながら仮組みしたことは、今でも忘れられない・・・。
これは吉○家で特盛の牛丼頼んだが途中で満腹になり、それでもなんか残すのも悪い気がするので胃袋に鞭打って喰った時の感覚と似ていた。

さて、この組立ての時点で難産気味だったこのキットといかにして出会ったかについて書いておきたい。
きっかけは大学の友人の一言だった。

ガンプラ好きを自負するなら、『ガンダム』のプラモデルは外せないよなー。

ここで言う“『ガンダム』のプラモデル”とは『機動戦士ガンダム』、つまりファーストガンダムに登場するMSのプラモデルを指す。
別にこの言葉に感銘を受けた訳ではないが、『劇場版 機動戦士ガンダム(以下劇場版)』を何度か目にする事でファーストガンダムにも関心を持つようになった俺は、主人公機であるRX-78-2 ガンダムのキットを作ってみたいと思った。そこで模型屋に足を運んだ訳だが、RX-78-2のキットに目を向けてみると、その種類の多さに眩暈を覚える。MGだけでも4種類(注1)、HGUCやFG(ファーストグレード)(注2)、旧キット(注3)、さらにはPG(パーフェクトグレード)(注4)まであり、いくら初代だからって優遇されているにも程があるだろ。
結局予算の都合でMG以上はパス。組み立てやすさ&プロポーション重視で旧キット及びFGもパス。HGUCを購入する事にした。
しかし、HGUCガンダムの箱をレジに持っていこうとする俺の目に、あるキットの箱が映った。それがGアーマーのキットだった訳だ。ポイントカードには店のポイントが溜まっていたし、なにより箱の絵もカッコ良かったので、迷わずGアーマーに切り替えたのだった。

帰宅後。キットを組み立てる前の儀式としてDVDに録り溜めしていた『劇場版』を観る事にした。組立てる前にテンションを上げようって寸法だ。
最初の内はガンダムとシャア専用ザクの戦いなどに手に汗握りながら熱中していたが、話が進むにつれおかしい事に気付いた。Gファイターがどこにも登場しないのである!
これは後で知った話なのだが、劇場版では尺の都合などにより、黒歴史として抹消された機体、人物が多く存在しているとのこと。要はGファイターもこの黒歴史だったのである

ここで話を戻そう。つまり最終的に何が言いたいのかというと、「カッコいいからと購入したキットでも、作中での勇姿を知らなければテンションが上がらない。」結果、完成させるのにも時間がかかるという事だ。
最近になって『ガンダム』はDVD-BOXが発売されたりしているので、Gファイターを知らない人はあまりいないかもしれないが、これはGファイターに限らない事なのでこれだけは言いたい。

ろくに知りもしない作品のキットをカッコいいという理由で購入しても、ましてや特盛でお得やんという理由で購入しても、本人の方で完成させる気力が保たれなければ、意味が無い。」と。

「箱絵がカッコいい」だけでは、気力が保てないんだよ・・・。
他の人はどうか知らないけど、俺は特にその傾向が強いから・・・。
注1:95年7月に発売された、いわゆる。『Ver.1,0』。PGで実用化された二重関節などをMGサイズに生かした『Ver.1,5』。メカデザイナーのカトキハジメ氏がリファインしたガンダムを商品化した『Ver.Ka』。そして最も新しいのがバンダイナムコより発売されたPS2専用ゲーム『機動戦士ガンダム 一年戦争』に登場する機体に準拠した『Ver.ONE YEAR WAR 0079』の4種類である。

注2:ガンプラ生誕20周年を記念して発売された記念商品。1/144キットでありながらプロポーション及びディテールはPGに準拠しており、良好なのだが、いかんせん成型色が白一色なうえにポリキャップも使用していないので、色プラの便利さに慣れてしまった身としてはかなり手が出しづらい。価格は315円(税込)と、かなり安いんだがね・・・。

注3:『機動戦士ガンダム』のテレビ放映終了後にバンダイが発売を開始した1/144スケールのキットシリーズの事を言う。また、『機動戦士Ζガンダム』のキットシリーズなど、ハイグレード(HGUC以前に展開されていたシリーズ)が登場する以前のキットを総称してこのように呼称する。
注4:ガンプラ生誕20周年を記念して発売されたキット。各間接の可動にあわせて動くシリンダーや、カメラアイの発光など、当時の最高水準の技術とギミックが惜しげも無く投入されている、まさに「究極のガンプラ」。ただし、お値段は12600円と、財布に与える打撃の方も「究極」・・・。

悲運の名(迷?)機
うろ覚えで僭越至極なのも甚だしいのだが、ここからはGファイターという機体について説明させていただきたい。

Gファイターとはガンダムの大気圏内における戦闘能力及び航続距離などを上昇させるために、地球連邦軍が開発したガンダムのサポートメカである。
ガンダムのサブ・フライト・システム(SFS)(注4)としての使用法の他、ガンダムと相互に組み合わせる事で様々なモードに形態を変え、多様な戦術に対応できるという、なんとも今週のビックリドッキリメカみたいなカンジのメカである。しかし、このメカには悲劇的な運命が待っていた。
そう、先に書いたとおり、劇場版では黒歴史にされてしまったのである。
まだ、『時間の都合で出番が削られた』というのなら救いはあるが、劇場版にはGファイターに代わりコア・ブースター(注5)が登場しているので、その線は薄い。ならば何故黒歴史にされてしまったのか、その理由として挙げられている逸話がある。
『Gファイター(Gアーマー)は合体メカである。だから黒歴史となった。』
リアルである事が尊ばれる『ファーストガンダム』において、空中合体・分離するGファイター(Gアーマー)は邪道と見なされたのだった。
・・・と、言われている。
そんな事いったら堂々と空中で合体してる『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』インパルスガンダムなんてかなりダメなんじゃないか?って思うのは俺だけか?
注4:一年戦争中は単機で飛行できるMSはまだあまり存在せず、MSで戦闘機等の航空戦力に対抗するにはMSが重爆撃機等の上に搭乗するという方法しかなかった。(ただしアムロはMSでジャンプしていたけど。)こうして開発されたのがドダイYSなどのSFSである。ちなみにドダイは『Ζガンダム』に改良型が登場している。

注5:コアファイターに航続距離、武装を強化するためのブースターを装備した機体。当然のことながらSFSとしては使えないので、ガンダムが乗ったりしたら、落ちます・・・。(角川書店刊『トニーたけざきのガンダム漫画』より)

ここからはキットの出来について見ていきたいと思う。

RX-78-2 ガンダム

RX-78-2 ガンダム(正面) RX-78-2 ガンダム(背面)
主人公アムロ・レイと共に一年戦争を駆け抜けた、伝説のMS

一見すると「どうせHGUC ガンダムの金型流用だろ。」と、言われそうだが、(いや、実際そうなんだが・・・。)、このキット最大の目玉であるGファイターとの合体ギミックの再現のために随所に新規パーツが使用されている。さしずめHGUC ガンダムVer.1,5と言えよう。
本体のプロポーション、及びディテールはMGなどでスタンダードになっているリファイン版ではなく、アニメ版に近いものになっている。
ただし、それではイマイチ面白くないので、食玩で入手したガンダムを参考に、各部にディテールを追加してみた。
可動範囲はかなり貧弱で、肩は若干前後にスイングできるが、肘と膝は90度までしか曲がらない。ただし、先述したとおり、各部に新規パーツが採用されているので、つま先やビームサーベルが動くようになっているのである。しょうもない部分でも動くとなんだか嬉しいものである。
バズーカはマウント用のパーツを差し替える事で腰にマウントする事が可能になっている。また、ライフルはスコープとグリップの部分が可動するので両手持ちも可能になっているぞ。シールドはボールジョイントで接続されているので、若干角度をつけて腕に装着できるようになっている。背中に背負わせる事も可能だ。
各部分のマーキングには雑誌付録のあまり等を用いている。キットには付属しないぞ。

ビームライフル両手持ち

Gファイター

Gファイター前面 Gファイター後面
ガンダムのサポートメカ
セイラ・マスが搭乗した・・・らしい。

ぶっちゃけた話、ガンダムを格納して空を飛ぶ箱なのだが、キットではデザインの一部に曲線を用いたり、バーニア部のディテールを細かくするなど、ただの箱には見えないように工夫されている。メガ粒子砲はただの筒に見えないように、市販パーツでディテールアップしている。 後で紹介するGアーマー・Gブルの際に用いるキャタピラは本体底面が観音開きになるので、内部に格納可能になっている。
キャノピーにはクリアパーツが用いられているが、中のパイロットがあまりにもしょぼいのでキャノピーを裏面から塗装、見えなくしてしまった。
ガンダム同様、各部のマーキングには余ったシールを貼っている。
上にガンダムを乗せる事も当然可能だ。

おまえと、ライド・オン!!
「この状況・・・、僕がセイラさんの上に乗ってる・・・?
僕は今、僕は今・・・、ウッ!!」byアムロ・レイ
(角川書店刊『機動戦士ガンダムさん』より)

各種パーツ

パーツ色々。

ガンダムとGファイターを組み合わせて完成する各形態を再現するために必要なパーツは一通り揃っている。 もう一枚のシールドは予備シールドと解釈。Ver.Kaのように十字星はつけずに作ってみた。

ここからはこれらのパーツを用いた各形態を紹介しよう。
ちなみに以降の文では混同を避けるためGファイターの前半分をGメカAパーツ、後ろ半分をGメカBパーツと表記する。

Gブル (ガンダム上半身+GメカAパーツ+予備シールド、コアブロック)

Gブル
ガンダム戦車形態
Gファイターの存在を認めない奴らなんか轢き潰してやる!! byセイラ・マス
角川書店刊『トニーたけざきのガンダム漫画』より

通常、操縦はコアファイター側から行うが、Gメカ側からも行う事が出来る。宇宙でも運用できない事は無い。と、いう設定の陸戦兵器。
コアブロックのパーツを空洞状態の腹部と交換する事でGブル・イージーにする事も可能だ。

Gブル・イージー
「凄いよねー、俺断面丸見え。」byガンダム
(講談社刊『SDガンダムフルカラー劇場』より)

Gスカイ (ガンダム下半身+GメカBパーツ+コアファイター、接続パーツ)

Gスカイ
空飛ぶ内臓。通称"モツファイター"
(講談社刊『SDガンダムフルカラー劇場』より)

高速・長時間飛行が可能な航空/航宙兵器。ただし、武装がコアファイターのバルカンのみとなるため、攻撃力はあまり無い。
一応ガンダムの足の部分が丸ごとBパーツ内に収まるように出来ているが、足首の部分が結構キツイので、塗装派は足首を取り外してから合体させる事を推奨する。
ガンダムの下半身パーツを使わずに、アニメ設定には無いアタッチメントを介して付ける事でGスカイ・イージーにする事が可能だ。

Gスカイ・イージー

ガンダム・スカイ (ガンダム+GメカBパーツ)

ガンダム・スカイ
ある人曰く“スケバン・ガンダム”
(ロングスカートはいてるように見えるから?)

MS単体の場合に比べて推力が飛躍的に上昇するので、MA的な高速戦闘に特化した運用が可能になる。

Gアーマー (ガンダム+GメカAパーツ+Bパーツ)

Gアーマー
ガンダム・システムの最終形態

AパーツとBパーツでガンダムを挟み込むようにドッキングする事で完成する形態で、ガンダムそのものを高速で前線へ搬送する機能を持つ他、ガンダムのエネルギー系統と接続されるためメガ粒子砲の連射が可能になっている。まさにガンダムの最終形態と言えよう。
全長は一般的なMGキットに匹敵するくらいあるので、最も置き場所に困る形態でもある。

オマケ
この通り、多くの形態を再現できるキットだが、せっかくなので角川書店刊『機動戦士ガンダムさん』に登場する形態もやってみましょう。

Gファイター超イージー
連邦の仕官ってアホばっかりや・・・。byセイラ・マス

これがGファイター超イージーだ!!
破損したGメカに代わりセイラさんに与えられた機体・・・だそうだ。当然飛べる訳が無い。

Gファイター、発進します。軸線合わせ、よろし?(もどる)