1/144 HG ガッデス
発売元:バンダイ
『機動戦士ガンダム00』1/144 HG(ハイグレード)シリーズ
定価:1680円(税込)
「ねぇ、私たち・・・、分かりあえてたよね・・・?」
イノベイターの影
連邦軍内のクーデター派が占拠した軌道エレベーター・アフリカタワーに対し、独立治安維持部隊・アロウズが衛星兵器・メメントモリを使用した事でタワーが崩壊した事件【ブレイク・ピラー事件】は、ソレスタルビーイングのメインコンピュータであり、現在はリボンズ・アルマーク率いるイノベイター勢に支配されている【ヴェーダ】を用いた情報操作により、事実とは違う情報が報道された。
ヴェーダを押さえられている限り、勝ち目は無い。というわけで、ソレスタルビーイングは、ヴェーダの奪還作戦を始動させる。
メメントモリの二号機を破壊する事に成功したソレスタルビーイングを、アロウズの部隊が追撃をかけてきた。部隊の中にイノベイター、リヴァイブ・リバイバルが操縦する機体、ガデッサを確認するとティエリア・アーデのセラヴィーガンダムが、ガデッサとの一騎打ちに臨む!
互いのメイン武器であるGNバズーカとGNメガランチャーを至近で撃ちあったセラヴィーとガデッサは、ビームサーベルで切り結ぶ!
ティエリア「その機体、やはり接近戦が得意ではないらしい!」
リヴァイブ「キミの機体ほどじゃないさ。火力ばかり優先して!」
ティエリア「それはどうかな。トランザム!!」
GNキャノンが変形した隠し腕に装備されたビームサーベルにより、機体をバラバラにされるガデッサ。リヴァイブはコアファイターを分離させ、脱出しようとするが、セラヴィーから分離したセラフィムガンダムによって捕まってしまうのだった。
ティエリア「君には聞きたい事がある。答えてもらうぞ、イノベイター!」
リヴァイブ「・・・」
母艦・プトレマイオス2の船室では捕虜にしたリヴァイブから、ヴェーダの所在地を聞き出そうと、尋問が行われようとしていた。自己紹介をしながら金色の輝きの放つ、リヴァイブの瞳。それに呼応するかのように、ブリッジでは艦の舵を握るアニュー・リターナーの瞳も金色に輝いていた。アニューは隣に座るもう一人の操舵士、ラッセ・アイオンに対し、銃を向ける。
「だって私は、イノベイターなんだから。」
ツインドライヴを搭載したダブルオーガンダムの強奪を目論むリボンズは、リヴァイブに指示し、彼をわざと捕虜にさせたのだった!
ラッセを撃ったアニューは、通信士、ミレイナ・ヴァスティを人質に取る。リヴァイブは「自分に手を出せば、脳量子波を通じてアニューに指示を出す。人質もただではすまない」とほのめかしながら、堂々と船室を後にすると、さらにコンピュータウイルスを忍ばせ、艦のメインシステムをも麻痺させる。
機体を強奪するため、ミレイナにダブルオーガンダムの発進準備をさせるアニュー。と、そこに、ソーマ・ピーリスが、さらに刹那・F・セイエイとロックオン・ストラトス(ライル・ディランディ)が追いついてきた。刹那とロックオンの機転により、人質となっていたミレイナの奪還に成功する!
リヴァイブはオーライザーを奪い、アニューもまた小型艇に乗り、プトレマイオス2から脱出した。それを追い、刹那のダブルオーガンダムと、ロックオンのケルディムガンダムが発進する。ケルディムのトランザムにより、オーライザーに追いついた刹那とロックオンはこれを包囲する。
刹那「ここまでだ!」
リヴァイブ「この機体を、傷つけるつもりかい!?」
刹那「俺たちには、優れた戦術予報士がいる!」
刹那の言葉を合図とするかのように、オーライザーのシート裏から飛び出したハロがコックピットに接続され、ダブルオーライザーに強制的に合体。オーライザーの奪還に成功する。しかし・・・
刹那「ロックオンの言った通り、万能には程遠いようだな!」
リヴァイブ「・・・仕方ない。オーライザーは諦めるよ。
けど、手土産の一つくらいは、欲しいな!!」
リヴァイブはマシンガンでオーライザーのコックピットを破壊。アニューが乗ってきた脱出艇に乗り移る。ロックオンは脱出艇に銃を向けるが、瞬間、脳裏をよぎるアニューの姿を前に、その引き金を引くことは出来なかった・・・。
「撃てよ、狙い撃てよ・・・! 俺は何のためにここにいる?
何のために・・・カタロンに、ソレスタルビーイングに!」
うおぉぉぉぉぉっ!!
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ロックオン「なんて情けねぇ男だ、ライル・ディランディ!
俺の覚悟はこんなモンか・・・? こんなっ!!」
刹那「ライル・・・ディランディ・・・。」
プトレマイオス2は操舵不能。さらに、戦闘システムも使用不可。その上、ダブルオーライザーも発進できない。イノベイターがこのチャンスを狙ってくる事は、容易に想定できる事であった。そして、アニュー・リターナー。彼女の姿もそこにあった・・・。
ヒリング「艦のシステムはオシャカで、ダブルオーは手負い。
残りのガンダムだけなら、楽勝ね〜♪」
リヴァイブ「ヒリング。我々の目的は、【ダブルオーの鹵獲】だよ?」
ヒリング「わかってるわよ。だから・・・」
ヒリング「あの子にも手伝ってもらわないとね〜♪」
リヴァイブ「・・・悪趣味だな。」
これを迎え撃つは、三機のガンダム。果たしてこの戦いの行方は?(下段に続く)
愛した女は、イノベイター
イノベイターとは、ソレスタルビーイングの創始者、イオリア・シュヘンベルグが生み出した人造人間である。当人たち曰く、その使命は『来るべき対話の時代に、人類を導く事』であるという。『来るべき対話』って何なのだろう? もしかして、『超時空要塞 マクロス』の世界みたいに、異なる星の知的生命体と文化交流でもしようとでもいうのだろうか? ガンダムシリーズには、これまで欠片も無かった話なだけに、まさにヤック・デカルチャー(注1)である。
部隊の一員としての制約を受けずに、リボンズからの指示を受けて動きやすいように、独立治安維持部隊・アロウズに属するイノベイターは、独自行動の権限を認められた「ライセンサー」となっている。また、リヴァイブやヒリングは、部隊内での階級も大尉だったりと、指揮系統に融通が利きやすいよう、高い階級を与えられてもいるようである。
アニュー・リターナーは、ソレスタルビーイングの元エージェント、王 留美の推薦を受け組織に加わった女性であり、イノベイターの一人である。
イノベイターには、【ヴェーダ】によって人間社会に送り込まれ、無意識的に人類を調査している『情報収集型』と、MSの操縦技能など、戦闘能力を高めた『戦闘型』の二種類が存在する。アニューは前者の方で、リボンズやリヴァイブ、ヒリングなどは戦闘型である。
彼女をソレスタルビーイングに推薦した留美は、『00』1stシーズンの頃はそれなりに協力的であったのだが、2ndシーズンに入ってからはソレスタルビーイング側に情報を与えた、と思いきや、イノベイター&アロウズ側にも情報を与えたりするなど、なにやら二重スパイ的な動きが目立つようになってきた、ガンダム作品に一人二人は当たり前に存在する、悪女的立ち位置の女性である。そんな彼女の推薦で仲間に加わったアニューに、何も無いはずは無い。と、最初から勘繰っていたのは、おそらく筆者のみではあるまい。
・・・と、いうか、リヴァイブと似た容姿って時点で、勘の良い視聴者にはバレバレってなもんである。よく少年漫画なんかにある、『勘の良い読者諸氏はもう既に気付いている事だろう』とモノローグを入れながら、あちらこちらにツッコミ所を配置しまくりのシーンに、状況がかなり似ているような・・・?
初登場からして「正体、バレバレじゃん!」なシーンの連発で『何も無いはずは無い』とアニューを疑っていた筆者が、『何も無ければいいのに・・・』と心変わりし始めたのは、ロックオン(ライル)と恋仲になった辺りからであった。
そういえば、ライルの兄、ニール(当時24歳)は、1st当時、まだ14歳であったプトレマイオスのクルーの一人、フェルト・グレイスに優しく接するなど、ロリコン疑惑がついてまわっていたが、どうやら弟君にそんな性癖は無かったようである。
閑話休題
出撃前にロックオンが『愛してるよ』と言えば、『いいから行って!!』と照れるアニュー。・・・実に羨ましいというか、微笑ましいというか。ギャルゲーをプレイしているときに、自分と主人公をダブらせ、「○○タンは俺の嫁!」とか言い出すイタイ輩と違い、むしろ「△△(主人公)と末永くお幸せにな・・・!」と、エンディングを迎える度に涙を流す、傍観者的思考の持ち主である筆者は、ロックオンとアニューに対しても似たような感情を抱いた。
リヴァイブとアニューは同タイプの塩基配列パターンを持つイノベイターで、リヴァイブはしばしば脳量子波を使い、プトレマイオス2の位置を特定するなどの事をやってのけた。それらが全部、気のせいだったりしたら良かったんだが・・・。リヴァイブが位置を特定できたのは、「実は発信機のおかげさ!」ってな感じで。それがまさか、こんな事になろうとは・・・。
ガンダムシリーズのお約束の一つ『決して結ばれることなき悲恋』。これを目の当たりにして、放送当時、筆者はただただ、涙を流すしかなかったわけで・・・。ってかアニメで泣いたの、8年以上前、『ドラえもん』の声優がまだ大山のぶ代さんだった頃に映画館で視た、『帰ってきたドラえもん』以来、久しぶりだったわけで。ニクイアニメだな、ちくしょうめ!
注1『ヤック・デカルチャー』:『超時空要塞 マクロス』シリーズに登場する巨人族・ゼントラーディ人が話す言語・ゼントラーディ語で、文化と言う物を知らない彼らが、文化的なものに触れた時に発する、いわゆるカルチャーショックを受けたときに使われる言葉。
絶望した! Gジェネレーションシリーズ最新作に、私たちの出番がない事に、絶望した!!
アニューが搭乗したMS・ガッデスは、イノベイター用に開発されたGNZシリーズに属する機体の一機である。
両肩に2基ずつ、スカートアーマーに3基搭載されているファングが特徴的。
プラスチック同士で接続されているので、腰のファングがポロリしやすいのが難点か。
GNZシリーズの機体は、リボンズによって占拠されたヴェーダの中にあった設計データを元に新たに開発されたガンダム・ガルムガンダムをベースに開発された機体である。ガルムガンダムを素体とし、使用目的に応じた武装を装備。アロウズとの共闘を踏まえ、頭部カバーの装着により、外見からガンダムの意匠は排除されている。
『00』2ndシーズンに登場したGNZシリーズは、ガッデスの他に、砲撃戦に特化した機体であるガデッサ、格闘戦に特化した機体であるガラッゾが存在する。
ガデッサにはアニューと同じ容姿を持つイノベイター、リヴァイブ・リバイバルが搭乗する。
砲撃戦仕様のガデッサ。リアスカートアーマーにはGNメガランチャー用の大型エネルギーパックを搭載している。
「上昇角度の変更はたったの3度。このガデッサには容易い事!」
ガラッゾにはイノベイター、ブリング・スタビティや、リボンズと同じ容姿を持つイノベイター、ヒリング・ケアが搭乗する。ヒリングは搭乗機をミッションに応じて臨機応変に乗り換えていると言う事で、初登場時はリヴァイブ機とはカラーリングの異なるガデッサに搭乗。ブリングが戦死してから後は、リヴァイブと連携をとることが多くなったため、ガラッゾに乗り換えた。
タイプの全く違う機体を乗りこなせるという事は、それだけパイロット能力が高いと言う事だろうか? リボンズと同じ遺伝子を持っているというのは、伊達ではないのかもしれない。
接近戦に特化されたガラッゾ。左肩にはティエリアが搭乗していたガンダムヴァーチェを元に搭載された、GNフィールドを持つ。
なお、写真はヒリング機である。
「ヴェーダのバックアップがなくたって、人間なんかに!!」
両手の指先にはビームサーベルが内蔵されており、その形状からビームクローと呼ばれる。
ちなみにブリング機。
また、このガシリーズの量産型として開発されたのがガガである。これは、量産機というよりも特攻兵器で、同じく大量に生産されたディヴァインとブリングのクローンが乗っており、最終決戦時に大量に投入された。トランザムシステムを搭載し、それによる超加速で大量に特攻してプトレイマイオス2やガンダムマイスターを苦しめた。さすがに、プラモデルでは一般販売されなかったが、量産機に目ざとく反応するROBOT魂がWEB通販限定で販売している。こちらにはデフォルトでブースターが付いており、スタンドを使用することでディスプレイが可能。
さらに、トランザムクリアカラーverも同時に発売されおり、こちらは3体で一セットという形で販売された。ガガの単価は3000円なのだが、こちらのセットを買えば3つ合わせて7800円と地味にお得な価格となっている。友人の射手座サジタリアスのBP君は、予算の都合で通常版を1つだけ買っている。
ガシリーズの簡易量産機
生産性を上げるためか、脚部と腕部が一体となっている
量産型ビグザムに似ていますな
付属のブースターで大量に特攻してきます
「トランザム!」「トランザム!」「トランザム!」
ガデッサ&ガラッゾのご両人は、ケルデイムやセラヴィー、アリオスガンダムが相手であれば、ヴェーダのバックアップの影響もあってか、苦戦を強いらせる事ができるので、丁度いい相手と言えなくもないのだが、イノベイター(純粋種)に覚醒した刹那+ダブルオーライザーが相手だと、赤子の手を捻るよりも容易く撃破されてしまう。自称新人類の面目丸つぶれ、完全に出オチキャラ&出オチ機体だったりするのだった・・・。
さて、GNZシリーズの機体には、一機のガンダムをベースに開発されたと言うだけあって、共通するギミックがある。その一つが緊急時にバックパックが変形する、脱出装置である。
バックパックの下部には擬似太陽炉が搭載されており、同じくイノベイター製であるアルケーガンダムとは違い、脱出時には擬似太陽炉も持ち帰れるようになっている。GNZシリーズの脱出装置の元ともなった、第二世代ガンダム・ガンダムプルトーネのコアファイターも太陽炉の持ち帰りを目的に、一体となっている事から、ソレスタルビーイングを壊滅させた後はオリジナルの太陽炉を奪い、GNZシリーズを新たなガンダムとして、太陽炉を換装しようとしていたのかもしれない。 ・・・と、考えれば脱出装置と量産が容易なハズの擬似太陽炉を一体型にする理由としては辻褄が合うと思うんだが、どうだろうか?
これまたシリーズ共通のギミックとして、飛行時には畳まれている足が、着陸時には展開され、鳥の足を思わせる形状になる、というのもある。
・・・何の意味があるのかは、よくわからないのだが?
また、腕部には敵機の牽制やミサイルの迎撃などに使われる小型のビーム砲、GNバルカンを内蔵しているのも共通する特徴の一つである。
ここからはガッデス専用の武装を紹介していこう。
ガッデスに装備されている数少ない直接攻撃用の武器、GNヒートサーベルは、その名の通り刃の部分を高温にする事で、切断能力を高めている。この剣は後述するGNビームサーベルファングのコントロールアンテナとしても機能しているので、これを失うと一度に制御できるファングの数は目減りするし、遠隔操作が可能な距離も短くなってしまうなど、割と重要な武装となっている。
HUYU君製作のプラモのお約束と言うわけで、
実体剣であるヒートサーベルの刀身はシルバーで塗装してあります。
パイロットであるアニューが、本来は情報収集タイプのイノベイターであるため、敵機との直接戦闘を極力避けられるよう、ガッデスには遠隔操作兵器であるGNビームサーベルファングを、両肩と腰に複数基搭載している。
付属の台座パーツにより、ファングを飛行状態で飾る事も可能。透明なので写真写りも気にならない!
ただし、最大で6基までしか飾れないので、7基目は本体に取り付けたままか、アクションベースを利用する方向で。
キットに付属するファング用の台座は、二個を組み合わせる事でHG ケルディムガンダムのシールドビットにも使えるようになっている。
思えば、ケルディムのシールドビットはビームガンが内蔵されているという設定なのに、
防御状態でしか飾れないと言うのが不満だったな・・・。
個人的にはGN粒子風にクリアーカラーで塗装したいところなのだが、ガッデスを優先すると赤になりケルディムには使えなくなる。逆にケルディムを優先すると緑になるのでガッデスには使えなくなる。ので、そこがちょっと残念と言える。ま、単なる我侭なんですが。
アニューとライルの悲恋っぷりに、思いっきり涙した筆者としては、「わかってるじゃないか! よくぞ商品化してくれた!!」と、バンダイホビー事業部に感謝したいくらいの一品である!
アニュー・リターン
プトレマイオス2が操舵不能のこの状況に、イノベイターが再び襲撃をかけてくることは容易に想定できる事であった。艦内ではイノベイターを迎え撃つ準備を進められていたが、コックピットごとRAISERシステムを破壊されたダブルオーライザーは、システムの再調整に時間がかかるため発進できないという。
ラッセに代わり舵を握るスメラギ・李・ノリエガは、ダブルオー以外の3機のガンダムを迎撃のために発進させる。
ヒリング「ガンダムのおいでよ!」
ティエリア「敵は少数だが、MAがいる。前のとは違うタイプか・・・。」
アレルヤ「来る!」
ルイス・ハレヴィに与えられたMA・レグナントから放たれた大型ビームを、散会して回避する三機のガンダム。しかし、回避したと思われたビームが突然屈曲し、ケルディムガンダム、セラヴィーガンダムの方へと向かってきた! アレルヤ・ハプティズムとソーマが駆るアーチャーアリオスも、曲がるビームに翻弄され、苦戦を強いられる。
アニューを探すロックオンの元に、彼女が操縦する機体・ガッデスが姿を現す。ケルディムガンダムはスナイパーライフルを捨てると、ビームピストルを取り出し、これに応戦する!
アニュー「興奮しないで、ライル! いい男が台無しよ!!」
ロックオン「アニューッ!!」
ティエリア「アニューだと!?」
アニューが戦場に出てきた事に、驚きを隠せないティエリア。その様子をみたヒリングは、二人のことを嘲笑う。
ヒリング「劇的な再会よねぇ。愛した女はイノベイターで、自らの敵。
まさに、『命懸けの恋』ってヤツだねぇっ!!」
アレルヤ「ロックオン!」
ヒリング「アニューが一機、連れて行った! 後はこっちで!」
ティエリアは突破口を開くため、GNバズーカ・ハイパーバーストを、ガッデス、ガラッゾに対し放つが、レグナントの強固なGNフィールドによって防がれてしまう。
ティエリア「突破口を開く!ハイパーバーストモード!!高濃度圧縮粒子、解放!!!」
ティエリア「バ・・・バカな!?ハイパーバーストが・・・。」
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レグナントのフィールドの威力を目の当たりにして、驚きを隠せないティエリア。さらにレグナントの放った大型ビームにより、アリオスガンダムが損傷を受ける!
アレルヤ「ぐわぁぁぁぁっ!」
アリオスに深手を負わせたレグナントに、GNアーチャーが単身突撃をかけるのだった!
一方、戦闘中域を離れた所では、ケルディムとガッデスが激しい戦いを繰り広げていた。ファングを放つガッデスに対し、ケルディムもシールドビットで応戦する。
アニュー「行きなさい、ファング!」
ロックオン「ハロ! シールドビット、アサルトモード!」
ガッデスが放った4基のファングを撃ち落したケルディムは、ガッデスに詰め寄り、これと切り結ぶ! ロックオンはアニューを説得しようと、彼女に想いの全てをぶつける!
ロックオン「何故だ! 何故、俺たちが戦わなければならない!?」
アニュー「それはアナタが人間で、私がイノベイターだからよっ!!」
ファングでケルディムの脚部を破壊するガッデス。対するケルディムもGNミサイルでガッデスの左腕を破壊する! ロックオンの決死の説得は、なおも続く。
ロックオン「わかりあってた!!」
アニュー「偽りの世界でねッ!」
ロックオン「嘘だと言うのか・・・俺の想いも、お前の気持ちも! ならよぉっ!!」
ケルディムがトランザム・システムを起動。圧倒的な運動性でガッデスを翻弄しながら、シールドビットで機体を無力化していく。ビームピストルの銃口をガッデスに突きつけ、シールドビットで周囲を包囲すると、ロックオンはケルディムのトランザムを解除した・・・。
アニュー「ライル・・・?」
レグナントの火力と防御力に苦戦を強いられるティエリアたちは、リヴァイブとヒリングの、防衛線の突破を許してしまう。
ヒリング「そろそろいくよ!!」
ティエリア「突破された!?」
ティエリアたちは、ガデッサ、ガラッゾの2機を追撃しようとするが、レグナントのエグナー・ウィップの電撃攻撃に捕まり、身動きを取れなくされてしまう!
ぐあああああああああ!
ヒリング「いただくよ、ダブルオーッ!」
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ビームクローを収束させ、プトレマイオス2へと迫るガラッゾ、そしてガデッサ。しかし、2機のMSの突撃は、プトレマイオス2のカタパルトより放たれたビームによって阻まれる。間一髪でRAISERシステムの調整が間に合い、ダブルオーライザーが復活したのであった!
リヴァイブ「な!?」
ヒリング「なによ!?」
初撃のビームライフルでガデッサ、ガラッゾの両機を撃墜したダブルオーライザーは、戦闘中域に飛び出すと、高出力ビームを放ち、レグナントのプラズマ・リーダーのワイヤーを切断。仲間たちを解放する。さらにレグナントに痛手を浴びせると、ロックオンの援護へと向かうのであった。
刹那「ライル・・・!」
ビームピストルを捨てると、ロックオンは、ガッデスのコックピットハッチを引き剥がしにかかった。
アニュー「な、何を・・・!?」
ロックオン「決まってんだろ。もう一度お前を、俺の女にする! 嫌とは、言わせねぇ!!」
アニュー「ライル・・・。」
ロックオン「欲しいモンは奪う! 例えお前が、イノベイターだとしても・・・。」
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ロックオンの真摯な思いに、アニューは涙を流す。
「アニュー、戻ってこい!」
「ライル・・・あたしは・・・」
説得に応じたアニューは、愛した男の元へ戻ろうと、シートから身体を浮かせた・・・と、その時、アニューの中で「何か」が変わった!
アニュー「おろかな人間だ・・・」
ロックオン「アニュー? おわぁ!!」
ガッデスは周囲を包囲していたシールドビットを破壊すると、ファングを射出し、ケルディムに容赦の無い攻撃を浴びせていく! GNヒートサーベルをケルディムに向けて構えながら、アニューではない者が呟く!
アニュー「イノベイターは、人類を導く者・・・。」
リボンズ「そう。上位種であり、絶対者だ。人間と対等に見られるのは、我慢ならないな。」
アニュー「力の違いを、見せ付けてあげるよ。」
周囲を飛び交うファングの攻撃を受け、ケルディムはまさに手も足も出ない状態になる。そんなケルディムに対して、ガッデスは最後のトドメとばかりに、ヒートサーベルを前に突き出し、突撃をかけた。その時・・・!
ロックオン「やめろ! やめるんだ、アニューッ!!」
アニュー「おぉぉぉぉぉっ!」
ロックオン「アニュゥゥゥゥーッ!!」
ロックオン「!?」
突如飛来したビームが、ガッデスを貫いた。ガッデスは失速し、ケルディムに抱かれるような形となる。
リボンズ「これは・・・!?」
ガッデスを貫いたビームは、トランザムライザーが放ったものだった。トランザムライザーが通り抜け様に放出した粒子を浴びて、ロックオンとアニューの周囲に量子空間が形成された。量子空間内で、ロックオンとアニューの想いが繋がる。
「ライル・・・私、イノベイターで良かったと思ってる・・・」
「なんでだよ・・・?」
「そうじゃなかったら、貴方に会えなかった。この世界のどこかで、すれ違ったままになってた。」
「良いじゃねぇか・・・それで生きていられるんだから。」
「貴方がいないと、生きているハリが無いわ。」
アニューは最後に、ロックオンに問いかける。
「ねぇ、私たち、わかりあえてたよね・・・?」
「ああ。もちろんだとも・・・。」
ロックオンが返事を返すと、アニューは「よかった・・・」と、呟き、微笑み、目を閉じ、そして・・・。
アニューは自機の爆発に最愛の人が巻き込まれないように、ケルディムを突き飛ばし、そして、爆散した・・・。
ロックオン「アニュゥゥゥゥーッ!!」
ロールオーバーで画像が変わります
プトレマイオス2に戻り、ロックオンは刹那を思い切り殴った。ティエリアの制止にも耳を傾けることなく、アニューを撃った仇を、感情に任せて殴り続けた。「もしもの時は俺が彼女を撃つ」と、刹那には言われていた。あの状況では、撃つしかなかったということはわかっている。そして、刹那がアニューを撃ったからこそ、自分はこうして生きている。それらがわかった上で、なおロックオンは刹那に怒りをぶつけるしかできなかった・・・。
「戦いが続く限り、広がる悲しみ」に、刹那はただ、目を細めるのみであった・・・。
「アニュー、聞いてるか・・・愛してるよ。」「いいから行って!」「オーライ!!」(戻る)