1/100 ガンダムアストレイ ブルーフレームセカンドL

発売元:バンダイ

1/100スケール、プラスチックキット

本体定価;2625円(税込)


ブルーフレームセカンドL
「必要なのは自分の気持ちを貫く意思だけだ。戦うための力は、ここに居る。」by叢雲 劾

蘇るブルーフレーム
『中立コロニー・ヘリオポリスで極秘裏に開発されたモビルスーツ(MS)を、目撃者ともども始末する。』
と、いう依頼を受けた、傭兵部隊・サーペントテールのリーダー、叢雲 劾(ムラクモ・ガイ)は、そこで出会ったジャンク屋の少年、ロウ・ギュールとの奇妙な縁から、彼が発見した二機のMSのうちの一機、MBF-P03 ASTRAY ブルーフレームを譲り受ける。

ブルーフレームと共に多くの戦場を戦い抜いた劾は、いつしか『最強のコーディネイター』として、地球連合軍のエース、キラ・ヤマトと並び称されるようになる。

そんな劾に対し、ラテン語で『戦友』を意味する名を持つソキウスという男が、挑戦状を叩きつける。劾はメンバーの反対を押し切り、その挑戦を受ける。

戦場として選ばれた廃墟に仕掛けられた、無数のトラップをかわし、ソキウスの駆るMS・ロングダガーに肉薄するブルーフレーム。しかし、背後から予期せぬ攻撃を受けてしまう。

劾「・・・もう一人、居たのか・・・。」

劾に決闘を申し込んだソキウスは一人ではなかった。もう一体のロングダガーの攻撃を受けたブルーフレームは大破し、勝利の証として、頭部を持ち去られてしまうのだった・・・。(注1)

持ち去られるブルーフレームの頭。
1/100スケールでダガー系のMSがキット化されていないので、
代わりにブラック・マジシャン君からMGのストライクガンダムとストライクノワールを借りてきました。

重傷を負った劾と、大破したブルーフレームは、メンバーの一人、リード・ウェラーの手配により、オーブに運び込まれる。オーブ領・オノゴロ島にある地下工場では、そこに居合わせたロウと、技術主任エリカ・シモンズの手により、修復作業が急ピッチで進められる事になった。『傭兵である劾は、意識を取り戻せばすぐにでも戦場に戻る。それまでに作業を完了させなければ、話にならない。』と、考えていたのだった。

ブルーフレームの修復作業は、エリカが劾より製作依頼を受けていた、肩部と脚部の強化パーツを組み込み、改修作業と同時に行われる事になった。しかし、戦闘で破壊されたバックパックと持ち去られた頭部に予備はなく、作業は行き詰る。
そこでロウは、自身がASTRAY レッドフレームの強化のために制作した、新型の頭部と、バックパック・タクティカルアームズを提供する。
また、被弾時の防御性能を高めるため、胸部・コックピット周辺には 、ロウの発案により、フェイズシフト装甲と通常装甲の二重構造(注2)が採用される。

蘇ったブルーフレーム
劾と共に、再び羽ばたく時を待つ、青い機体。

こうして、ブルーフレームの修復・改修作業が完了する。後は劾が意識を取り戻すのを、待つのみであった・・・。
注1『勝利の証として持ち去られた頭』:ソキウスは地球連合軍によって開発された、戦闘用のコーディネイターであったが、軍内部でブルーコスモス派が頭角を現してきた事で不要の烙印を押され、廃棄される事が決定していた。
「ナチュラルのために働けなくなる」事を恐れたソキウスは、最強のコーディネイターとして名高い劾に決闘を挑み、勝利する。トドメをさそうとした所で、サーペントテールのメンバーで、ナチュラルのロレッタ・アジャーが乱入。手出しができなくなってしまったので、代わりにMSの頭を持ち去ったのだ。

注2『PS装甲と通常装甲の二重構造』:地下工場内で同じ頃建造中であった、ストライクルージュのPS装甲素材の余りを使用するためにロウが発案したシステム。被弾時にのみPS装甲が作動するので、電力消費が少なくて済む。
ちなみにこれは、テレビ本編に登場する、カラミティガンダムなどに用いられているトランスフェイズ装甲と同じ原理である。

もう一体のASTRAY
おうしざのロリごおるどせいんとHUYU機動戦士ガンダム00の目に余るほどのつまらなさに嫌気が差し、当初予定していたガンダムエクシアの1/100スケールの購入を断念し、代わりに1/100スケールで発売中のASTRAY三体を揃えようと画策する、見切りをつけるのが早過ぎる男。まだ1クール目なのに・・・。以下HUYU)「と、いう訳で今回はASTRAYコラム第二弾!!ってことで、ブルーフレームセカンドLを紹介しちゃうよー!!モニターの前の皆、集まれー!!」

電光勇者超特急ヒカリガイン(HUYUの脳内に生息する、HUYUと寸分違わぬ趣味嗜好を持つ、ロボット大好きオタクイマジン。00がクオリティと話題性を維持するために、コードギアスと同じ方式で放送するという話を聞き、苛立ちながら一言。「元からつまらないアニメが、何を維持すると言うんだ!!」以下ヒカリ)「オマエは教育テレビの体操のお兄さんか!?それはともかく、今回はまた異様にテンションが高いな?」

HUYU「そりゃあなんたって、今回のテーマはブルーセカンドだからな!『独断と偏見で選ぶ俺の好きなガンダムオブザイヤー』で毎年上位に君臨する猛者だぜ!嫌でもテンションが上がるというもの!!」

ヒカリ「なんなんだ、その謎のランキングは・・・? ま、それはさておき、なんでオマエ、そんなにブル・・・、」

???「マカリクマカリタ、ヤンバラリ〜♪」

HUYU「何だ、今の気の抜けるような呪文は・・・?ってヒカリ!おまえ・・・、」

ヒカリ「トノサマガエル、アマガエル。カエルに色々あるけれど・・・、って平面ガエルになっちまったァァァーーーッッッ!!!

まじめにふまじめ怪傑ゼロリ(HUYUの脳内に生息する、美少年をこよなく愛するキモオタ腐女子イマジン。最近のマイブームは刹那きゅんとグラハム兄さん、アレルヤとセルゲイ(オッサン)のBL妄想・・・。オエェェェ〜・・・。以下ゼロリ)「オォォーーホッホッホ!この私を差し置いて対談を進めようとするからそんな目に遭うのよ!!」

HUYUヒカリ「「げっ!ゼロリ!!」」

ゼロリ「『げっ』って何よ!?まあとにかく、アンタもそのような目に遭いたくなければ、私を快くこの場に迎える事ね!!」

HUYU「いえぇーい、ぜろりさま、まってましたーー(棒読み)」

ヒカリ「さすがHUYU・・・。こういうときの切り替えは早いや・・・(泣)。ま、それはさておき、なんでオマエ、そんなにブルーセカンドが気に入ってるんだ?」

HUYU「ああ、その話だったな。ASTRAYシリーズが四誌でそれぞれ違う展開で連載されていたって話は前回解説しただろ。四誌のうち、コミック版はロウ、小説・フォトストーリー版は劾を主役にして展開されていたんだ。でもオレ、最初のころはロウが主役を務めるコミック版しか読んでなかったんだよ。」

ヒカリ「へー。それが何で小説版にも手を出したんだ?」

HUYU「ときた版のコミックス3巻に、レッドフレームと宿敵・ゴールドフレームが決着をつける話があってな。レッドフレームがピンチになったところに・・・、」

ゼロリ「このブルーセカンドが助っ人として駆けつけてくれたってわけね!」

HUYU「そう!その通り!!俺そういう展開に弱くてさぁ、カンペキにブルーセカンドに嵌ったってワケよ。」

ゼロリ「それで劾が主人公の小説版も買うようになったと・・・。あんた、ものの見事に角川書店の術中にはまってるわね・・・。」

HUYU「褒めるなよー。照れちゃうぜ!」

ヒカリゼロリ「「褒めてない!」」

HUYU「あれ?」

Lです。ワタリ、パーツを紛失しました。至急バンダイに問い合わせて注文してください。
ヒカリ「さてそろそろ、オマエが完成させたキットについて見ていこうか。」

HUYU「そうだな。と、いう訳でまずはこれ。ブルーフレームセカンドGだ。」

セカンドG正面 セカンドG背面

ヒカリ「肩が出っ張ってる上に、足も長くなってるから、レッドフレームよりスマートになった印象を受けるな。」

HUYU「そうだな。ん?どうしたゼロリ。」

ゼロリ「しーつもーん。セカンドGってなんなの?そもそもなんでセカンドLっていうの?」

HUYU「上のストーリー紹介で、『頭部とバックパックに予備がなかったからロウが作ったパーツで補った』って書いただろ?セカンドLって名前は、劾がロウとの友情にちなんで、LOWE(ロウ)の頭文字から取って名付けた名前なんだ。」

ゼロリ「じゃ、Gってのは?」

HUYU「それぐらい察してくれ・・・。Gの方は、劾が設計した強化プランに近い機体だから、GAI(ガイ)の頭文字からとってGって付いてるんだよ。」

ゼロリ「ほほーう。男同士の友情ってやっぱり萌えますなぁ・・・。」

ヒカリ「萌えの世界にトリップしてる馬鹿はほっといて、セカンドG用のパーツもセットになっていたのか?バンダイも太っ腹やのう。」

HUYU『いつも肝心な所が足りない、これがバンダイクオリティ』のバンダイがそんなことするわけないでしょーが。」

ヒカリ「ラスボスには異様なまでのこだわりを見せるんだがな。聖闘士聖衣神話のサガ(注3)とか・・・。それはそうと、付いていなかったという事は、他から持ってきたって事か?・・・ま、まさか!レッドフレームをもう一体買ったのか!?

HUYU「そんな真似ができてたまるか!!注文したに決まってるだろ!」

ヒカリゼロリ「「注文?」」

HUYU「そう。製作中にパーツを一個無くしてな。それがたまたまレッドフレームと共通のパーツだったから、一緒に頭部とバックパックのパーツも注文したってワケ。」

ゼロリ「それはまた太っ腹な事ね・・・。」

HUYU「いやー、パーツを一個だけ注文する方が太っ腹だと思うぞ。なんせ郵政民営化のせいで定額小為替の発行料金が10円から100円に値上がりしたからな。一個だけの注文だったら、パーツ代40円+郵送料120円=160円になるから、100円、50円、10円の為替が一枚ずつ必要になるので、合計460円も払う事になるんだよ。なんだかぼったくられた気分になるだろ?」

ヒカリ「数学は苦手なくせに、こういう計算は速いんだな。セコいんだか、豪気なんだかわからんのう・・・。」

HUYU「セカンドLにするとゴテゴテして動かしづらいから、可動範囲とか見るならこっちの方がいいでしょ?ってわけで可動範囲を見ていこうかね。」

ヒカリ「可動範囲も何も、結局は前回紹介したレッドフレームの金型流用でできてるんだから、そんなに違いは無いだろう?」

HUYU「確かにそうだが、レッドフレームと同じように組立てたのではつまらんからな。色々と改造してみたぞ。まず、首の部分はジャンクのポリパーツとジョイントを組み合わせて、可動範囲を拡大してみた。」

首の可動
ついでに、ちょっとだけ首が長くなったので、左右にも首を回しやすくなった。

HUYU「それと肩アーマーは、キットのままでもマスターグレードみたいに接続軸の部分が可動式になっているんだけど、肩ブロックと接続軸の幅が違ってる所為でかなり可動は制限されていたんだ。」

ゼロリ「どれだけ制限されていたの?」

HUYU「聞いて驚け。腕が水平にも上がらなかったんだよ!流石にこのままではダメだと思い、干渉する部分を削って、水平に上がるように改造したよ。」

肩アーマー
設計ミスなのか何なのかは知らないが、
簡単な改造で改善できるのでお試しあれ。

HUYU「これ以外には何も問題は無いかな、と、思いきや、実はフトモモの装甲に取り付けるナイフの鞘が腰サイドアーマーに干渉して、足が左右に広げにくくなっているんだ。」

ヒカリ「設定画では装甲がスライドするから、問題は無いのだろうが・・・。残念だな。」

HUYU「可動についてはこんなところか。では次はセカンドLを見ていこう。」

セカンドL正面 セカンドL背面
バックパックが、かなりのボリュームを誇ってます。
・・・が、それゆえの弊害もあったりする・・・。

ゼロリ「バックパックがすごいボリュームね! ところで、ただの素立ちなのに、何でスタンドなんて使ってるの?」

HUYU「嫌な所に気付くなぁ。実はバックパック、タクティカルアームズって言うんだが、重すぎて、自立させるのが難しいんだよ。工夫すれば立たせるのも可能なんだがね。」

ヒカリ「その分ギミックも多いんだろ? ってわけでそれを見ていこうか。」

HUYU「キットでは重量の問題は何処へやら?の代わりにタクティカルアームズの各形態が完全変形で再現されているのさ。では各形態を見ていくか。まずはバックパック形態だ。」

セカンドL背面
バックパック形態

HUYU「タクティカルアームズはバックパック形態でならフライトユニットとしての機能も持っており、短時間なら飛行する事も可能だぞ。」

ゼロリ「キラきゅんのフリーダムガンダムだって飛行するんだから、番外編の主人公も飛行しなきゃってワケね。」

HUYU「バックパック中央のガトリングガンは飛行中でも使用できるから、後ろから追いついてきた敵に対する牽制にも使用できるぞ。」

ガトリング形態
通称Gモード

HUYU「次はガトリング形態だな。ロウが開発した時点では実弾しか撃てなかったんだが、PS装甲を搭載した敵との戦闘も考慮した結果、劾の手によってビームと実弾を混合で撃てるように改良されているぞ。」

ヒカリ「ブレードの部分を地面に突き立てて使う砲台か。SEEDのMSには珍しいな。ここまでは問題らしい問題は無いみたいだが・・・。」

HUYU「問題は次の、ソード形態だ。」

ソード形態
通称Bモード
見ての通り、物凄く大きいですな。

HUYU「ロウがガーベラストレートを作り上げた時に得た技術も用いて作られた、ソードストライクガンダムなどに装備されている対艦刀・シュベルトゲベールなみの威力と、それ以上の切れ味を誇っている業物で、刀身の部分にはラミネート装甲が用いられているからビームを防いだり、斬ったりもできるぞ。」

ゼロリ「まさしく最強の剣ね。でもコレだけ大きいと持たせるのも大変そうね・・・。」

HUYU「そうなんだよ・・・。大きすぎて構えさせるの一苦労なのさ。っていうか、肩関節の破損が怖くて、構えさせる事なんてできねーよ!

ヒカリ「そんな武器に使い道なんてあるのか? 見たまんまこのキットの最大の地雷だな。」

HUYU「誰が上手い事言えと言った!! さて、後の付属品はまとめてみちゃいますか。」

付属武器
ABS樹脂製で塗装しにくいというのはあるが、
アーマーシュナイダー(ナイフ)が鞘から脱着可能というのは嬉しい所。

ヒカリ「フトモモの装甲に取り付けるナイフと、リアアーマーに取り付ける追加バッテリーだな。」

HUYU「エネルギーを必要以上に使用する事を嫌う、傭兵らしい装備だな。追加バッテリーはガトリング形態のタクティカルアームズにも装着できるぞ。よくわからないんだが、ビーム弾を撃つ時の弾巣代わりになっているんだと思う。あと、つま先には隠しナイフが装備されていて、ちゃんとキットでも再現されているぞ。

つま先の隠しナイフ
壁を駆け上がったりする際に、スパイクとして使われたり、格闘戦の際には必殺の一撃に用いられたりする。

ヒカリ「おおー。結構芸が細かいなあ。」

HUYU「あと、SEEDシリーズの1/100キットでは恒例の、パイロットの軟質素材のフィギュアが付いてるんだが・・・、」

ゼロリ「きたきた・・・。私的メインイベント・・・。(じゅるり)」

HUYU「レッドフレームの時同様、塗装してないから紹介するまでも無いな、コレは。」

ゼロリ「ななななななななななな・・・・、なぁぁぁぁんですぅってぇぇぇぇぇぇっ!!」

HUYU「うお!?」

ヒカリ「ゼロリが壊れた!?」

ゼロリ「アンタに塗装もされずに放置されるオマケフィギュアの気持ちがわかるのかぁ!? いやわかるまい(反語) かくなる上はプラモ対決でアンタを懲らしめてくれる!!」

HUYU「うわぁ・・・。まためんどくさい事になったなあ。」
注3『聖闘士聖衣神話のサガ』:神が降りてきているとしか思えない顔の造型、充実のセット内容で、他のシリーズを大きく上回るクオリティを誇る、まさに最強の聖闘士。今回のコラムに使う写真を撮影し終わった後、ブラック・マジシャン君と一緒にサガを探しに地元のおもちゃ屋を見て回ったが、定価で売られている物はついぞ見つけることは叶わなかった。(某中古店で発見したが、すごい値段が付いていた・・・。)
激突!本編主人公機 VS 番外編主人公機!!
ゼロリ「と、いうわけで、プラモシミュレーター、レディ、ゴー!!

デスティニーガンダム
あれ?1/100デスティニーなんて、私持ってなかったハズですが・・・?

ヒカリ「おいおい、デスティニーはHUYUのガンプラじゃないだろ!反則だぞ!!」

ゼロリ今回のためにブラック・マジシャンの自宅から盗んできたのよ!!

HUYU「流石テロリスト、もはや何でもありだな。めんどくさいけど、相手してやるか。プラモシミュレーター!レディ、ゴー!! いでよ、ブルーフレームセカンドL!!」

セカンドL

ゼロリ「バッテリー駆動のMSが、この超高性能なデスティニー様に勝てると思ってるの!?」

HUYU傭兵は勝てる戦いしかしないからずらかったほうがいいかなぁ。

ヒカリ「うわっ、もう逃げ腰かよっ!」

ゼロリ「逃げようたってそうは行かないわよ。ビームライフルでも食らいなさい!」

ビームライフル連射

HUYUあれ?狙いが120度くらいずれているぞ。別に避けなくたって大丈夫だな。」

ゼロリ「オーホッホッホ。私の華麗なビーム捌きに恐れをなして、動きが止まったわね。この一撃で終わりよ。喰らいなさい!アロンダイト!!」

ヒカリ(なんか違うような気がするんだけど。実際、HUYUは余裕そうだぞ・・・。」

アロンダイト
カッコ良く構えてるようですが、よく見てみよう。何かが足りないぞ。

カチッカチッ

ゼロリ「アレ、アレ!? ビームが出ない!? どうして!!?」

ヒカリ「アイツ、何を遊んでるんだ?」

HUYU「さあ・・・?」

ゼロリ「おかしいわね、故障かしら・・・?こうなったら使えない武器なんて必要ないわ!シャイニングフィンガー、もとい、パルマフィオキーナで頭を吹き飛ばして・・・ってあらぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッ!!!!????」

ヒカリ「おおー。なんかアクロバット飛行みたいな器用な飛び方してるな。」

HUYU「ホントにアイツ、何やってるんだか・・・?」

ご説明しましょう!

HUYU「あ、天の声。」

設定によると、デスティニーガンダムはシン・アスカ君専用にチューンナップされた特別な機体なんです。だからパイロット能力の低いゼロリさんでは、まともに動かすのも難しい機体ってワケなんですねぇ。

HUYU「最初のビームが出なかったのは、違うんじゃないか?」

ヒカリ「あ、落ちてきた。」

グシャァ!!

デスティニー墜落
車田落ち。

這いつくばるデスティニー

HUYU「しかし、まともに操縦できないMSを選んでくるとは、ゼロリもアホなヤツ・・・。」

ゼロリ「うるさい!うるさい!!こうなったらコレでも喰らいなさい!長距離ビーム砲!!」

ズギュゥゥーーン!

長距離ビーム砲

ゼロリ「外れた!?何よコレ!銃身曲がってるんじゃないの!!」

HUYU「おいおい、この距離で外すかね・・・。」

ヒカリ(あ、ホントに銃身曲がってるな・・・。)

HUYU「・・・、これ以上は見るに忍びない・・・。そろそろ止めを刺すか。」

ガキィィン!

ゼロリ「ちょっと!タクティカルアームズで挟んでどうする気!!??」

HUYU「こうするんだ。」

バラッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダ・・・・・

命名、ゼロ距離ガトリング

ゼロリ「この距離でガトリングは効くわね〜! あ、そろそろお別れって事? ハイハイ。こう言っとけばいいんでしょ?
あべしっ!!

どかーん!

HUYU「ふー、終わった終わった。」

今回の教訓は「マシンが良くても、パイロットが性能を引き出せなければ!!」で、決まりですね。

HUYU「まったくだな。」

ヒカリ「いや、アレは性能を引き出す云々以前の問題のような気が・・・。」

劾の生き方
劾が意識を取り戻したのは、オーブに運び込まれてから三日後の事だった。

心配するメンバーをよそに、劾は、二人のソキウスと再び戦うために、リードに彼らを探すように指示する。
『得られるものが何もない戦い』に身を投じる事に納得がいかないイライジャ・キールは、説明を求めて劾に詰め寄る。

「・・・確かに、みんなには知る権利がある・・・。」
劾は、サングラスを外すと、静かに語り始めた・・・。

普段からかけているサングラスは、網膜に刻まれた管理コードを隠すためのものであるという事を。
自分がソキウスよりも前に、地球軍によって生み出された、戦闘用コーディネイターである事を。
マインドコントロールが不完全で、自我を強く持っていたために、廃棄されそうになった所を脱出し、追っ手を倒しながら生き延びてきた事を。
そして、ナチュラルの命令に絶対服従を強制されているソキウス達に、自分との戦いを通して、「自分」というものを見出し、自由を見出して欲しいのだという事を・・・。

戦う理由を聞いた一同に、劾を止める事は出来なかった。

ザフト軍の地上における重要拠点の一つ、ジブラルタル基地。二人のソキウスは今、そこに向かっていた。劾を倒した証拠を持参し、連合軍基地へ帰投した二人は、ブルーコスモスの盟主、ムルタ・アズラエルから、ジブラルタル基地を二人だけで攻略してこいという命令を受けたのだった。
それは、二人に死んでこいと言っているのと同じ事だった。

基地を攻撃しようとする、二機のロングダガー。と、その前に、青いフレームを持つ一機のMSが立ちはだかる。それは劾と共に蘇った愛機、ASTRAY ブルーフレームセカンドLだった。

ロングダガーVSブルーセカンド@
二人の前に立ちはだかるは、蘇りし青き機体。

「サーペントテールの叢雲 劾だ。ソキウス、答えろ。もう一度戦いたい。」

ソキウス「劾か・・・。生きていたとはね。」

「ああ、死に掛けていたんだが、仲間が俺を救ってくれた。」

ソキウス「そうか、仲間か・・・。いいな。僕達にも仲間は多いけど、そのほとんどは死んでしまった。」

『ジブラルタル基地を攻略する』という任務を果たすために戦おうとするソキウスに対し、『基地を守る』という任務のためではなく、二人に『自分』というものを見出してもらうために決闘を挑むのだということを強調する劾。

ソキウス「いいだろう、命令は関係ない。まずキミと戦う事にしよう。」

「では、はじめよう。」

こうして劾とソキウス達の決闘が始まる。ブルーセカンドはバーニアを一斉に噴射し、一気にロングダガーとの距離を詰めようとする。対する二機のロングダガーは、接近を許すまいと肩に装備されたリニアキャノンとミサイルを撃つ。が、それらがブルーセカンドに当たる事は無かった。

バーニアを一斉に噴射し、敵に詰め寄るセカンドL

二機のロングダガーは、接近戦の際にはデッドウェイトとなる、追加装甲を脱ぎ捨てる。ブルーセカンドもデッドウェイトとなるバックパックを切り離す。
戦いはほぼゼロ距離の、近接戦闘となった。

迫るビームサーベルに対し、肩のバーニアの噴射で右に移動し、アーマーシュナイダーで動力部を狙うブルーセカンド。ロングダガーはビームサーベルで受けようとするが、耐ビームコーティングが施されたナイフによる攻撃はビームサーベルで受ける事はできず、動力部を貫かれ機能を停止する。

動力部を貫かれるロングダガー其の一

「まずは一機・・・ッ」

ソキウス「やってくれたな!」

続けざまにもう一体のロングダガーが襲いかかる。ブルーセカンドは先に倒したロングダガーを踏み台にし、空中に舞い上がる。肩にバーニアが付いているとはいえ、空中での動きはかなり制限される。着地の瞬間には隙が生じる。ソキウスは勝利を確信した。

が、その確信はすぐに打ち破られる。ブルーセカンドは肩のバーニアに加え、空中で手足を捻る事で、空中で方向を転換したのだ。

ブルーセカンドはロングダガーのすぐ後ろに着地する。ロングダガーはすぐにビームサーベルによる斬撃を繰り出す。が、ブルーセカンドはそれを肩のバーニアの噴射で強引に上半身を動かす事で回避する。

紙一重の動きでビームサーベルを回避するセカンドL

そこからさらにバーニアを噴射する事で、急速回転する。それによって生じた回転力を利用し、アーマーシュナイダーがロングダガーの動力部に打ち込まれる。

決着

決着が付くまでに五分とかからなかった。

同じ性能を持つMSに乗ってさえいれば、ソキウスにも劾と同じ操縦を行う事は可能だっただろう。しかし、傷の痛みと加速時にかかる強いGに、劾は何度も意識を失いそうになっていたはずである。そうならなかったのは、彼が『自分』を持って戦っていたからなのか・・・。

劾との戦いから、『自分を持って戦う者の強さ』を知った二人のソキウスは、『真にナチュラルの役に立つとはどういう事か』(注4)を考えるため、その場から立ち去る。

しかし、戦いはそれで終わりではなかった。リードからの連絡によると、ソキウスの始末をつけるため、地球軍ブルーコスモス派の大部隊が、接近中だというのだ。
タダで基地の施設を使用するために、『基地に接近中の地球軍特殊部隊の相手をする』という依頼をでっち上げて戦いに臨んだため、逃げる事は許されない。

ブルーセカンドは切り離したバックパック・タクティカルアームズを呼び戻すとGモードに変形させ、前方に向けて構える。

タクティカルアームズを携えるブルーセカンド
劾「さあ、仕事を始めるとしよう・・・。」

ブルーコスモスの部隊は大規模とはいえ戦車を中心とした部隊だ。たいした脅威ではない。

劾は前方に向けて、トリガーを引いた。
注4『真にナチュラルの役に立つという事』:この後、ソキウスたちはナチュラルたちの命令に対し、無条件に従うのではなく、自分で考える事が重要だと気付く。
元々戦闘用コーディネイターとして作られた彼らには、多くの同一固体(クローン)が存在する。劾と戦った者以外のソキウスも、彼らと会うことで同じ結論に達する。
コズミック・イラの世界は、ソキウスが人知れず社会に溶け込み、人々が悪い方向に進まないように干渉を行うという、若干怖い事態になっている。

任務完遂(ミッション・コンプリート)だ・・・。(戻る)