ROBOT魂 ガウェインEX
トウキョウ決戦
〜BLACK REBELLION〜
あの日から、俺はずっと望んでいたのかもしれない。あらゆる破壊と喪失を・・・。
そう、創造の前には破壊が必要だ。そのために心が邪魔になるのなら、消し去ってしまえば良い。
そうだ、俺はもう進むしかない・・・。だから!
学 園 祭 宣 言 !
ブリタニア人の学生と、仮面の男・ゼロという二つの顔を持つ少年、ルルーシュ・ランペルージや、名誉ブリタニア人でKMF・ランスロットのデヴァイサーである枢木スザクが通う、私立高校アッシュフォード学園の学園祭に、神聖ブリタニア帝国第三皇女、ユーフェミア・リ・ブリタニアが現れた。
ユーフェミアの出現に学園はパニック状態に陥るが、世界一の巨大ピザを作るため第三世代KMF・ガニメデに搭乗していたスザクによってユーフェミアが救い出され、なんとか事なきを得ることが出来た。ガニメデの掌に乗せられたユーフェミアは、その位置からある計画を宣言した。
ユーフェミア「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアは、富士山周辺に行政特区日本を設立する事を宣言いたします!」
ユーフェミアの突然の発言に群集は驚きを隠せない。それはルルーシュやスザクも同じであった。黒の騎士団の指導者・ゼロの正体がルルーシュであること、その本人がそこにいることを知るユーフェミアはさらに、ゼロに対し特区日本への参加を呼びかける。
特区日本を拒めば世論を敵に回す。逆に参加すれば黒の騎士団は存在意義を失う。どちらを選んでも、黒の騎士団は解散に追い込まれてしまうだろう。宣言を聴いていたルルーシュは心中で呟く。
ルルーシュ「そうやって君は何もかも手に入れる気か、俺たちの居場所さえもまとめて・・・!
ならば君は何も見えていない、聞こえていない!」
ルルーシュ「俺は仮面を着けたテロリストで、君は・・・!」
この時ルルーシュは、その怒りの矛先を確かにユーフェミアへと向けていたのであった・・・。
血染め の ユフィ
特区日本の開設記念式典が行われる会場には、多くの日本人が集結していた。ユーフェミアが式典の開始を告げようとしたその時、上空より黒の騎士団のKMF・ガウェインが現れる。その肩にはゼロが乗っていた。
スザク「ゼロ・・・!」
ユーフェミア「来てくれたのですね。」
式典会場に現れたゼロは、ユーフェミアと二人きりで話をする事を求めた。ゼロを危険視するスザクとは別に、その正体を知るユーフェミアは要求に応じ、ゼロを会場の奥へと案内する。
ルルーシュは室内の電源を切るとゼロの仮面を脱ぎ、ユーフェミアへと銃を向ける。ルルーシュが自分を撃つ事は無いと信じて疑わないユーフェミアに対し、ルルーシュは「そう、俺は撃たない。撃つのは君だよ、ユフィ。」 と告げる。
もしここでユーフェミアがゼロを撃てば、会場に集まった日本人は暴動を起こし、ユーフェミアは信望を失墜する。ルルーシュの狙いはユーフェミアにギアスをかけ、自分を撃たせる事にあったのである! しかし突然、ルルーシュは自分の左目を押さえ苦しみだした。
一方、外で待機していたスザクは、ガウェインの機体の上に何者かの気配を感じ取る。コックピット内に待機していたC.C.は、スザクが気配に気付いている事を見抜くとガウェインを降り、その姿を彼の前に現した。C.C.がスザクに対し何かを問おうとしたその時、彼女もまたルルーシュと同じように左目を押さえ苦しみだした。目の前で突然苦しみ始めた彼女を支えようと駆け寄るスザクであったが、その手が彼女の肩に触れた瞬間、スザクは力の逆流を受け、その場で気絶してしまう。
苦しみだしたルルーシュへ駆け寄るユーフェミア。しかしルルーシュはそれを拒絶する。
「やめろ! これ以上俺を憐れむな!! 俺は自分の力で手に入れてみせる!
その為にも、穢れてもらうぞ、ユーフェミア・リ・ブリタニアァッ!」
ユーフェミアに対し、ギアスをかけようとするルルーシュ。しかし、次の瞬間彼女が放った一言が、ルルーシュを動揺させる。
「その名はもう返上しました!」
ユーフェミアは特区日本を設立するというワガママを押し通す見返りとして、皇位継承権を返上していたのであった! 学園で再会した時、ナナリーはユーフェミアに、「お兄様と一緒にいられれば、他には何もいらない。」 と告げた。ユーフェミアに捨てる決心をつけさせたのは、ナナリーのその一言がきっかけであった。これらは全て、ナナリーのためにしたことだったのである・・・。
「君は、俺にとって最悪の敵だった・・・。君の勝ちだ。」
ユーフェミアの真摯な想いを受け取ったルルーシュは、自分の負けを認める。
ユーフェミアは、「脅されたからってルルーシュを撃つと思ったの?」 と、自分が思っていたより信頼されていなかったということを嘆く。そんなユーフェミアに対しルルーシュは、「俺が本気で命令すれば誰も逆らえない。」 と返した。
「例えば、日本人を殺せって言えば、君の意思とは関係なく・・・」
ルルーシュが言いかけたその時、ユーフェミアの様子が変わった。何かに怯えるようにその場に崩れるユーフェミア。彼女は顔を上げると、「そうね、日本人は殺さなきゃ。」 と、言い残し、ルルーシュの銃を奪い、式典会場へと走っていった。
・・・それはほんの冗談のつもりで発した言葉であった。しかしこの瞬間、ルルーシュのギアスはかつて戦った《人の心を読むギアス》を持つ男・マオと同じように、ON/OFFの切り替えが出来なくなってしまったのである!
会場に現れたユーフェミアは、その場に集まった日本人たちに告げる。
「日本人を名乗る皆さん! 死んでいただけないでしょうか!? え〜と、自殺して欲しかったんですけど、ダメですか? じゃあ、兵士の皆さん。皆殺しにして下さい! 虐殺です!!」
ユーフェミアを制止しようと駆け寄るルルーシュであったが間に合わず、彼女は日本人に対し発砲。続けてそんな彼女を止めようとしたダールトンにすら発砲してしまい、会場内はパニック状態に陥ってしまう。
気がついたスザクが目にしたのは、まさに地獄絵図。ブリタニア軍によって行われている日本人の一方的な虐殺であった。
イレブンを殺せ!全軍、イレブンを殲滅せよ!!
気が付いたスザクは、場内で行われている虐殺劇を目の当たりにし、驚きながら状況確認をしながら場内を駆け回る。そんな彼に、グロースターが非情な返答をする。
ブリタニア兵「日本人は全て抹殺しろとの命令だ。ユーフェミア様直々のな。」
スザク「ユーフェミア様が!? 馬鹿を言うな!!」
ブリタニア兵「そういえば、お前も日本人だったな・・・。」
ブリタニア兵は、スザクが日本人であると確認するや否や、彼にもその銃口を向けるのであった。
銃弾の雨の中をかいくぐり、航空艦アヴァロンと合流したスザクは、ユーフェミアを探すため、ランスロットで発進する!
スザク「ユフィが虐殺命令なんて、出すはずが無い! 何としても探し出す!ユフィを!!」
一方、C.C.と合流したルルーシュは、眼前に迫り来るブリタニアの航空機部隊をガウェインのハドロン砲で一掃すると、会場外で待機していた黒の騎士団に命令を出す!
ルルーシュ「黒の騎士団総員に告げる! ユーフェミアは敵となった!
行政特区日本は我々をおびき出すための、卑劣な罠だったのだ!!
自在人型走行機部隊は会場内に突入、ブリタニア軍を壊滅し、日本人を救い出すのだ! 急げ!!」
ルルーシュ「ユーフェミアを見つけ出して、殺
せ!!」
ギアスの赤い光を放つその瞳に、涙がにじんでいた・・・。
せめて哀しみとともに
ゼロの指示に従い、式典会場へと突入した黒の騎士団は、ブリタニアのKMFを次々と駆逐していった。
カレン「ユーフェミアめ! 騙まし討ちをするなんて!!」
日本人「黒の騎士団だ! ブリタニアなんてぶっつぶせぇ!!」
一方のスザクも、ランスロットで空からユーフェミアを捜しに出たものの、黒の騎士団KMF・無頼の地上からの射撃に阻まれていた。
スザク「ユフィはどこだ!? くっ、今はお前たちの相手をしている暇はない!!」
逃げ惑う日本人に対し、発砲しようとするグロースター。カレンの紅蓮弐式はそれを阻止すべく、グロースターに襲い掛かる。そんな紅蓮に対し、「無礼でしょう!」 と、罵る声は聞き覚えのある声だった。
ユーフェミア「無礼でしょう! 私はユーフェミア・リ・ブリタニアですよ!!」
カレン「そうか、ここにいたのか。お人形の皇女様・・・。」
殺された日本人の仇を討とうと、構える紅蓮弐式。が、その時、上空からカレンを制止する声が響く。現れたのはルルーシュのガウェインであった。ガウェインはグロースターに対し指に内蔵されたスラッシュハーケンを放つと、巧みにそれを操り、ワイヤーでグロースターの四肢を切断した。
ユーフェミア「日本人のクセに!」
ルルーシュはゼロの仮面を身に付けると、ユーフェミアの前にその姿を現した。ユーフェミアはルルーシュの姿を見つけると、彼に対し特区日本について話し始める。
「ああ。できればそうしたかったよ・・・。君と共に・・・。」 そう呟いたルルーシュは、ユーフェミアに対し、静かに銃口を向ける。
空からユーフェミアを探していたスザクは、やっとの想いで彼女を発見、安堵の表情を見せるのだが、次の瞬間・・・、
パンッ!
ゼロが引き金を引き、ユーフェミアが地面に倒れた・・・。
ルルーシュ「さようなら、ユフィ・・・。多分、初恋だった・・・。」
ルルーシュは心中でユーフェミアに別れを告げる。
逆上したスザクのランスロットはその場からゼロに対し急降下。ガウェインコックピット内のC.C.は、ルルーシュを殺させまいと、ランスロットに対しハドロン砲を放つ!
スザク「うわあぁぁぁぁぁっ!!」
ゼロ「スザク!?」
C.C.「こんな時に!」
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スザクはランスロットに向けて放たれたハドロン砲を、電磁シールド・ブレイズルミナスで防御しようと試みるが、すぐに防ぎきる事が出来ないと判断。かわしながら近づくと、ガウェインに対し回し蹴りを見舞わせる!
スザク「くぅ! ハドロン砲は受け止め切れないっ!」
C.C.「ルルーシュを殺させるわけにはっ!」
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ランスロットは倒れたユーフェミアを拾い上げると、さらに眼前に立ちはだかる紅蓮弐式に対し、腕が壊れる事にも構わずパンチを繰り出し、これを圧倒。
カレン「スザクッ!」
スザク「邪魔をするなぁっ!」
ランスロットは退路を開くと、上空に待機していたアヴァロンへと帰還した。
特区日本式典会場は黒の騎士団によって制圧され、生き残った日本人たちはブリタニアへの、ユーフェミアへの怒りを爆発させていた。ゼロは壇上に上がると、ブリタニアの非道を糾弾。そして、合衆国日本の建国、ブリタニアからの独立を高らかに宣言するのだった。
医療スタッフの懸命の処置にもかかわらず、ユーフェミアは静かに息を引き取る。なぜユーフェミアが日本人の虐殺を指示したのか、スザクは彼女の亡骸に問いかける。と、その時突然、背後に一人の少年が現れた。自らをV.V.(ブイツー)と名乗る少年は、スザクの疑問に対する答えを持っていた。この時スザクは、これまで親友だと思っていた男の、真実を知る事になる・・・。
周辺の抵抗組織を取り込み、巨大化しながら、黒の騎士団はトウキョウ租界へと進軍を続けていた。ルルーシュはガウェインに乗り出陣。トウキョウ租界の政庁に対し、降伏を勧告する。
ルルーシュ「0時まで待つ。降伏し、我が軍門に降れ! 繰り返す。我が軍門に降れ!!」
突然、ルルーシュの携帯電話に着信が入る。電話の相手はスザクだった。スザクは憎しみだけで戦おうとしている自分を見ないためにも、今夜は空を見ないで欲しい、と、学園のみんなに伝えて欲しいと言ってきた。「ありがとう」と礼を言うスザクに対し、ルルーシュはやさしく答える。
ルルーシュ「気にするなよ、俺たち友達だろ?」
スザク「七年前から、ずっと。」
ルルーシュ「ああ。じゃあな。」
ルルーシュが電話を切ると、丁度時計が0時を示した。その時、突如、租界外縁部が崩れ落ちる!
その様子を見ながら、ルルーシュは怪しい笑みを浮かべる。
ルルーシュ「スザク、俺の手はとっくに汚れているんだよ。それでも向かってくるなら構わない。
歓迎してやるさ。俺たちは友達だからな。
フッフッフッフッフ・・・
アーッハッハッハッハッハ」
ルルーシュ「フッハッハッハッハッハ、ハッハッハッハッハ・・・。」
崩壊していく街を眺めながら、ルルーシュは笑い続けていた・・・。
崩落 の ステージ
トウキョウ租界は耐震のため、階層構造となっていた。ルルーシュは管制センターの人間に、『軍門に降れ』を合図にフロアをパージさせるようにギアスで命令していたのであった。
ルルーシュ「コーネリア、正面からの戦いにこだわった、お前の負けだ。」
コーネリア「何!?」
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そのため、黒の騎士団を迎え撃つために外縁部に陣を敷いていたブリタニア軍は総崩れ。このチャンスに黒の騎士団が侵攻を開始。ブリタニア軍の指揮を執っていたコーネリアは一時撤退を余儀なくされる。
後退し、政庁だけを守り、援軍を待つブリタニア軍に対し、黒の騎士団は放送局や公安部など、租界の主要施設を掌握。そしてアッシュフォード学園もまた、その占領下に置かれた。すべては妹、ナナリーの安全を確保するためであった。
ユーフェミアの仇であるゼロを討つため、ロイド・アスプルンドから起動キーを奪い強引に出撃したスザクは、鬼神の如き強さを発揮。黒の騎士団の無頼を瞬く間に葬っていった。
ゼロはどこだ!
俺はゼロをぉぉーーッ!!
租界をひた走るスザクのランスロットに対し、呂号乙型特斬刀が投げつけられる。それを弾き返すランスロット。その先には紅蓮弐式がいた!
カレン「スザク!」
スザク「カレンか!」
カレン「戦場で会った以上、悪いけどここで死んでもらう!」
スザク「みんな馬鹿だ! 君も日本人も、あんな男に騙されて!」
カレン「その良い方ムカツクね! アンタにゼロの何が判るって言うの!?」
言い終るのが早いか否か、ランスロットが紅蓮弐式に襲い掛かる。
スザク「じゃあ教えてくれ、ゼロを!」
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スザク「ゼロは今どこにいる!?」
ランスロットの斬撃を輻射波動で弾いた紅蓮弐式は、スラッシュハーケンを射出。背後のビルの壁面に飛び移る。壁を蹴り、輻射波動でランスロットに襲い掛かるもソードで防がれる!
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ランスロットのソードに弾かれたものの、その反動を活かし周囲のビルを蹴って再び紅蓮は反撃に出ようとするがランスロットに体当たりされて、落下させられてしまう。
スザク「さあ、答えろ!ゼロはどこだ!?」
カレン「言うはずないだろ!裏切り者がぁ!!」
落下しながらでも、果敢に舌戦を交えるカレン!しかし、怒れるランスロットの猛攻は続く!!落下する紅蓮に、上空からランスロットが迫る!!
スザク「じゃあ、ここで終わりにする!」
空を飛べないハンデを背負っている紅蓮ではあったが、カレンは紅蓮の体勢を切り替えると、輻射波動をビルに叩きつけ、その反動を利用して急速離脱した!!
カレン「飛べるからって、調子に乗るなぁっ!」
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壁に輻射波動を放ち、その反動でランスロットの突撃をかわした紅蓮は、ランスロットに突撃。ランスロットはそれに対しソードを横なぎに振るうが、紅蓮はこれを紙一重で回避。ランスロットの左腕を紅蓮の右腕が掴む!
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捕まえた。喰らいなぁっ!!
掴んだ左腕に輻射波動を叩き込む紅蓮。しかしスザクは刹那の判断でランスロットの左腕をパージ。手にしたヴァリスで紅蓮の右腕を破壊する!
カレン「うわあぁぁぁぁぁっ!」
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ランスロットは紅蓮に銃口を向けたまま上昇すると、なおもゼロの行方を尋ねる。
スザク「さあ言え! ゼロはどこだ!」
カレン「しつこい男は嫌いなんだけど。」
スザク「そうか。なら、ここで・・・。」
ヴァリスの砲身を展開し、紅蓮に狙いを定めるランスロット。
スザク「何か、言い残す事は無いかい?」
???「待て。」
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カレンにトドメを刺そうとするスザクに待ったをかけたのは、ゼロ(ルルーシュ)であった。ルルーシュはスザクに対する執着を断ち切るため、一対一の決闘を申し込む。
ルルーシュ「枢木スザク、君に対する執着が私の甘さだったようだ・・・。
断ち切るためにも、一騎打ちにて決着を付けたいのだが・・・?」
スザク「望むところだ!」
スザクは、ゼロの決闘の申し出に応じたのだが・・・。
黒の騎士団に占領されたアッシュフォード学園。その生徒会室ではルルーシュの友人であるミレイ・アッシュフォードらが、不安な夜をすごしていた。そこにスザクの怒号が響く。ミレイらが外を見ると、そこにはランスロットとガウェインの姿が。ルルーシュが決闘の場所に選んだのは、アッシュフォード学園の上空だったのである!
スザク「人質のつもりか!? なにが一騎打ちだ!」
ルルーシュ「仲間になる機会をことごとく裏切ってきたのはお前だ!
くだらん美学にこだわったことを、後悔するがいい!」
ガウェインに対し、接近を試みるランスロット。しかしガウェインのハドロン砲に阻まれ、着地を余儀なくされる。そして、C.C.の合図で仕掛けられたトラップ、ゲフィオン・ディスターバーが起動、ランスロットは行動不能に追い込まれてしまう。
スザク「ゼロッ! お前は最後まで人を騙して! 裏切って!!」
ルルーシュ「フンッ、偽善なる遊びに付き合う暇はない。さらばだ、枢木スザク。」
悔しげに歯噛みするスザクを尻目に、ルルーシュのガウェインはその場から飛び去っていった。
学園から飛び去ったガウェインが向かったのは、エリア11政庁だった。政庁の守りは堅く、藤堂率いる前線部隊は守りを切り崩せずにいた。そこに、佐渡と鳥島から出た航空機部隊の増援が現れた。
ルルーシュ「さすがに、守りは堅いな・・・。」
C.C.「のんきに構えている場合か?敵の援軍がご到着だ。爆撃されたらおしまいだな。」
しかし、ルルーシュはあわてるそぶりを見せず、ハドロン砲を発射させた。
ルルーシュ「フン。エナジーフィラーは交換済みだろ?」
ガウェイン本体を回転させることにより、四方を囲んだ航空機部隊はハドロン砲を受けてしまい、全滅してしまう。迫り来る航空機をハドロン砲で掃討したガウェインは、政庁の屋上へと降り立つ。そこにはルルーシュやナナリーが幼き日々を過ごした、アリエスの離宮に似せて作られた屋上庭園があった。さらに庭園の奥から、一機のKMFが姿を現す。それはコーネリア専用機のグロースターだった!
コーネリア「ようこそ、ゼロ! やはり空爆情報に誘い出されてここに来たか。」
コーネリア「さあ、歓迎の宴の始まりだ! 舞踏会はお好きかな?」
グロースターがランスを構え、ガウェインへと突進する!
コーネリア「ゼロ! ユーフェミアの、仇ぃぃーーッ!
ガウェインも格闘でこれに応じようとするが、大型機であるガウェインの動きはグロースターに比べて鈍重で、小回りも利き難く、追いきれない。
コーネリア「どうした、ゼロォ!!」
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さらにグロースターはガウェインに対し、アサルトマシンガンを連射。徐々に攻め立てていく。
ルルーシュ「くッ! スペックでは圧倒しているはずなのに!!」
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地上戦ではかなわないと判断したルルーシュは空へ逃げ、間合いと取ろうとするが、スラッシュハーケンで飛びつかれてしまう!
コーネリア「脆弱者がぁ!!」
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コーネリア「捕まえた! お前の命は今、まさに私の手の中に!!」
ルルーシュ「コーネリアッ!!」
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コーネリア「これが裁きだぁ!!」
ガウェインに対し引き金を引こうとした、まさにその時。コーネリアのグロースターは背後から飛んできたランスに貫かれてしまう!!
コーネリア「・・・ウッ!?」
コーネリアに対しランスを投げつけたのは、ダールトンのグロースターだった! 富士の式典会場でユーフェミアに撃たれたダールトンはゼロと遭遇。その場でコーネリアとの戦いで優位に立てるよう、ギアスをかけられていたのだった。
ダールトン「姫様、ダールトンです・・・。」
コーネリア「・・・なぜだ?」
ダールトン「ご安心を・・・。お命まではいただきません。」
ルルーシュ「間に合ったか。」
正気に返ったダールトンを、ルルーシュは用済みとばかりに、ハドロン砲で殺害する。
ルルーシュ「ありがとう、ダールトン。」
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ダールトン「姫さまぁぁぁぁぁ!」
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一方その頃、アッシュフォード学園生徒会室。ミレイらはスザクを助けるため部屋を脱出。生徒会室にはナナリーが一人、残されていた。その背後で開くドア。C.C.が入ってきたのかと思い振り返るナナリーであったが、そこにいたのは予期せぬ来客、謎の少年V.V.であった。
「迎えに来たよ。」 と、ナナリーに優しく語り掛けるV.V.。果たして彼の目的は一体?
ゼ ロ
ルルーシュはコーネリアに対しギアスを使い、母、マリアンヌが殺された事件について、彼女が知る事を聞き出そうとする。しかし彼女は、母を殺した犯人を知らず、また、事件当日の警護担当であった彼女は、マリアンヌ自らに頼まれて警護隊も引き上げたのだという。
―何故、母はそんなことをしたのか? 自分が殺される事を知っていたのか? ならば何故自分とナナリーを逃がさなかった?―
コーネリアからさらなる情報を聞き出そうとした、その時、ガウェインコックピット内のC.C.がルルーシュを呼ぶ。
C.C.「おい、戻って来い!」
ルルーシュ「わかっている。そろそろ政庁の守備隊が・・・、」
C.C.「違う! お前の妹がさらわれた!」
「冗談を聞いている暇はない。」と、取り合わないルルーシュであったが、C.C.には確かにわかっていた。ルルーシュが仮面を被り、コックピットへ戻ろうとした、その時、ルルーシュの背後に、巨大な物体が姿を現した!
???「オールハーイル、ブリターニアッ!!」
ジェレミア「おや、貴方様はゼロ! なんたる僥倖! 宿命! 数奇!」
ルルーシュ「まさか、オレンジか!?」
ジェレミア「おおおおおおおお、お願いです!死んでいただけますか?」
ルルーシュがオレンジと呼ぶこの男。彼こそは、かつてルルーシュの奇策にはまり失脚し、再起を願い決闘を挑むも紅蓮弐式の輻射波動で重傷を負い、挙句、改造人間にまでされてしまった悲運の男、ジェレミア・ゴットバルド(通称オレンジ)である!
再びルルーシュにオレンジ呼ばわりされた事に逆上したジェレミアが、ガウェインへと襲い掛かる! ルルーシュはC.C.にコーネリアを回収するように指示するが、一歩間に合わず、ジェレミアの駆るナイトギガフォートレス・ジークフリードの突進で政庁から追い出されてしまう。
ジェレミア「ゼロ! 私は、帝国臣民の敵を排除せよっ! そう、ならばこそ!
オールハイル、ブリタニアァァァッ!!」
ルルーシュ「ええい!邪魔をするな!!」
ジェレミア「ゼロオォォォォォォ!!!!」
ルルーシュはナナリーの安否を確かめようと、学園を制圧している黒の騎士団員や、生徒会メンバーに電話をかけるが、居所がわからない。肝心のナナリーの携帯電話には繋がらない。
ジークフリードを相手にする余裕のないルルーシュは、進路上にいた黒の騎士団員にジークフリードを撃ち落すよう命じる。
ルルーシュ「参番隊、敵の飛行型だ!一斉射で打ち落とせ!!」
影崎「了解!敵機捕捉、撃てぇぇぇぇ!!」
が、その圧倒的な性能差から攻撃は全てかわされ、部隊は全機撃墜されてしまう。
ジェレミア「見えた・・・見えた・・・」
影崎「何だ、あれは!?」
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黒の騎士団団員「影崎隊長〜〜〜〜〜!!」
ガウェインは尚も迫ってくるジークフリードに対しハドロン砲を発射。が、ジークフリードはそれを難なくかわす。
ルルーシュ「雑魚が!お前の相手をしている暇はない!!C.C.、トゥウェルブストリートに出ろ!」
C.C.「一方的な都合ばかり!!」
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ジェレミア「当たらず! この、ジェレミア・ゴットバルドにはぁぁっ!」
しかし、これはルルーシュの罠だった。ルルーシュの真の狙いは、ジークフリードの背後のビルを倒壊させることにあったのである!
ルルーシュ「違うな、オレンジ君。もう当たっている。」
ジェレミア「卑怯、後ろをバック!」
ルルーシュ「潰れろ、古き者よ。」
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ハドロン砲の直撃を受けたビルの倒壊に巻き込まれる形で、ジークフリードは生き埋め状態となる。C.C.の言葉を信じたルルーシュは、ナナリーが連れて行かれたという、神根島を目指す。
その頃アッシュフォード学園では、生徒会メンバーらが再び黒の騎士団によって取り押さえられていた。ミレイたちを殺させないためにもコックピットハッチを開け、姿を現すスザク。黒の騎士団員はそんなスザクを撃ち殺そうと引き金に力を込めるが、生徒会で飼われている猫、アーサーの乱入でこれを阻止。さらにロイド率いる特別派遣嚮導技術部が預かる航空艦アヴァロンと、ロイドの助手、セシル・クルーミーが駆るサザーランド・エアが駆けつける。
ロイド「こんばんは〜♪」
この混乱に乗じて生徒会メンバーは脱出に成功。アヴァロンからの射撃によりゲフィオン・ディスターバーも破壊され、ランスロットが再び起動する。
セシル「フィラーカバーを開けて。エナジーを交換するわ。」
スザク「はい。でも、どうしてセシルさんが?」
ロイド「取り返しに来ただけだよぉ。ランスロットとか、まぁ、色々と。」
セシル「サザーランドのパーツだけど、いけそう?」
スザク「はい。適合チェッククリアです。」
セシル「じゃあここは私たちに任せて、貴方はゼロを!」
ロイド達に学園の安全を託したスザクは、再びゼロを追うために飛び立つ。
スザク「ありがとうございます。アッシュフォード学園を、ここのみんなをお願いします!」
ロイド「わかってるよ〜。婚約者もいるしね♪」
そんなスザクへ、ロイヤルプライベート通信が送られてくる。その相手はコーネリアであった。
政庁でゼロが神根島へと向かった事を聞かされたスザクは、コーネリアより騎士侯位を授けられる。ユーフェミアの仇を討つという使命を託されたスザクは、神根島へと向かう。
ゼロが戦線を離れた事で、黒の騎士団陣営は混乱に陥っていた。カレンはどうすれば良いのかわからず、不安に襲われる。そんな彼女に黒の騎士団副指令・扇が通信を送ってきた。ゼロを追えというのだ。
扇「助けるんだ・・・ゼロを・・・。ナオトの・・・夢を・・・。」
紅蓮にサザーランドの右腕を装着し、鹵獲したナイトメアVTOL(空輸機)を使用し、ゼロを追い何処かへと向かうランスロットを追って、カレンもまた、神根島へと向かう。
ナナリーを救い出すため、神根島へと向かったルルーシュらのガウェインの前に、ジェレミアのジークフリードが立ちふさがった。
ジェレミア「私です! ゼロよ、懺悔は今!!」
ルルーシュ「しつこいヤツ!!」
ルルーシュ「くっ! コーネリアに受けた破損箇所が!!」
C.C.「ハドロン砲も、あと一撃しか!」
ジェレミア「私の素晴らしき、雪辱!」
ガウェインは最後のハドロン砲を海面に向けて発射。これにより水蒸気爆発が発生、ジークフリードに対する目くらましとする。
ジェレミア「くっ!姑息、孤立、小癪ぅっ!」
C.C.は「勝てよルルーシュ、自らの過去に。そして、行動の結果に。」 と言い残すと、ルルーシュと口付けをかわし、彼をコックピットから下ろすと、再びジークフリードへと立ち向かっていった。
ルルーシュ「C.C.、死ぬなよ。」
C.C.「誰に向かって言っている?」
ルルーシュ「フ、そうだったな。」
ガウェインはジークフリードに対し、スラッシュハーケンを発射。ジークフリードに膝蹴りを食らわせる。
ジェレミア「は〜っけん!!」
ジークフリードを捕らえると、共に海中へとその身を沈めていった。
C.C.「心中相手としては好みじゃないが・・・!」
ジェレミア「うおぉぉぉぉぉっ!?」
神根島の遺跡へと足を踏み入れたルルーシュの前に、スザクが立ちふさがった。ルルーシュはユーフェミアの話をする事で揺さぶりをかけようとするが、V.V.からギアスについて聞かされていたスザクに、動揺はなかった。
「傲慢にして卑劣、それがお前の本質だ。」 と、目の前に立つ仮面の男を責めるスザクは、カレンがいる事にも気付いていた。そしてカレンの目の前でゼロに向けて発砲。これによりゼロの仮面が割れ、その素顔がさらされる。
「なんで、どうして・・・?」 仮面の下の素顔を知り、ショックを受けるカレン。
「信じたくはなかったよ。」 目の前の友を見据えるスザク。
「そうだ。俺がゼロだ。」 ルルーシュは自らの正体を明かす。
ルルーシュはナナリーを救い出すため、スザクに対し休戦を申し込むが、その願いは無下に却下される。スザクは告げる。
「その前に手を組むべきは、ユフィだった! 君とユフィが力をあわせれば、世界を!」
それに対して「全ては過去、終わった事だ。」「懺悔など、後でいくらでも出来る!」 と、言い放つルルーシュに対し、スザクの怒りが頂点に達する。
「いいや、君には無理だ! 君は、最後の最後に世界を裏切り、世界に裏切られた! 君の願いは、叶えてはいけない!!」
ルルーシュに銃を向けるスザク。対してルルーシュは胸に流体サクラダイトの爆弾を取り付け決死の覚悟を見せる。ルルーシュはスザクから、彼にギアスを教えた者の正体を聞き出そうとする。ナナリーをさらった者が関与している可能性があったからである。しかしスザクは「ここから先は、お前には関係ない!」 と、これを拒否。
ルルーシュに銃を向けたまま、スザクは言葉を続ける。
「お前の存在が間違っていたんだ! お前は世界からはじき出されたんだ! ナナリーは俺が!!」
この言葉に逆上したルルーシュが、スザクに銃を向ける。
「スザクゥッ!!」 「ルルーシュゥッ!!」
そして洞窟内には、一発の銃声の響いた・・・。
「一縷の望みは・・・、ほのかなる願いは・・・、絶望からこそ生まれいずる・・・。」(戻る)